障害者雇用の業務切り出し

人事担当者のための CMS入稿の切り出し|Webサイト・EC運営事務から在宅の1人へ

このページは、Webサイト・EC運営事務の「CMS入稿」を在宅の1人に任せられないかを考えている人事担当者のためのページです。

頼む仕事がないと感じる裏で、入稿という作業は止まっていないか

障害者雇用の枠はあるのに、応募が来ない、任せる仕事が見当たらない、在宅という働き方も検討したことがない。そんな状態のまま、枠だけが残っていないでしょうか。同じような言葉が、公的な資料にも残っています。

「障害者雇用の最大の課題は「頼む仕事がない」」
(厚生労働省の委託事業「障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口」の公開ページより)

頼む仕事は、公開前の原稿を送り出す作業の中にもあります。Webサイト・EC運営事務にある「入力する」という作業も、その1つです。

更新が重なる時期のCMS入稿、公開の準備は追いついていますか

下の場面は、よくある形をまとめたたとえです。特定の会社の話ではありません。

Webサイト・EC運営事務|更新が重なる時期のCMS入稿を、在宅の1人が引き取る

Web運営の担当者は、できあがった特集ページやお知らせの原稿をCMSの管理画面に入稿し、公開の設定をする作業を商品運用の合間に行っています。更新が重なる時期は入稿する件数が増え、商品運用の対応に追われて入稿が後回しになることがあります。入稿が遅れると、案内したい情報の公開が計画より遅れ、他の告知との足並みがそろわなくなってしまいます。担当者としても商品運用の判断業務を優先したいところですが、入稿の作業にも一定の時間を取られています。CMS入稿だけを在宅の1人に切り出すと、Web運営の担当者は商品運用の判断業務に集中でき、公開の遅れも起きにくくなります。必要なのは文字入力・データ入力とCMS・SNSの入力操作で、入稿する内容は公開前提の原稿が中心のため機密度は低く、最初の1件として任せやすい業務です。

先ほどの場面にあるとおり、商品運用の判断はWeb運営の担当者が担っている本来の仕事です。原稿をCMSに入稿する作業は、その判断業務とは別の動きにあたります。同じ人が両方を担っているあいだ、入稿作業は判断業務に押し出され続けます。

複数サイト分の入稿も、同じ構図です

Webサイト・EC運営事務|複数サイト分のCMS入稿を、在宅の1人が引き取る

複数の販売サイトを運営しているWeb運営の担当者は、同じ内容の原稿をサイトごとのCMSにそれぞれ入稿し直しており、サイトの数が多い分だけ入稿の作業も重くなります。仕入れや価格の判断業務と重なると、入稿が後回しになり、サイトによって公開のタイミングがずれてしまうこともあります。入稿がそろわないと、サイトごとに見える情報が違ったままになり、問い合わせを受けてから気づくこともあります。サイトが増えるほど、入稿の抜けも起きやすくなっていきます。CMS入稿をまとめて在宅の1人に任せると、Web運営の担当者は仕入れや価格の判断業務に専念でき、公開のタイミングもサイトをまたいでそろいやすくなります。必要なのは文字入力・データ入力とCMS・SNSの入力操作で、扱う内容は公開前提の原稿が中心のため機密度は低く、切り出しの入り口として試しやすい業務です。

サイトの数が違っても、構図は同じです。仕入れや価格の判断という本来の仕事を担う人が入稿も兼ねているあいだ、サイトが増えるほど公開のタイミングはそろいにくくなっていきます。

切り出せるのは「入力する」という1つの動きです

CMS入稿という作業を分解すると、必要なのは文字入力・データ入力とCMS・SNSの入力操作です。扱う内容は公開前提の原稿が中心のため、機密度は低に分類されています。商品運用や仕入れの判断はWeb運営の担当者の手元に残したまま、入稿するという動きだけを在宅の1人に渡す形です。

文字入力・データ入力とCMS・SNSの入力操作を教えている訓練は、すでにあります

在宅の訓練をしている就労移行支援事業所7件の公開ページを確認したところ、文字入力・データ入力とCMS・SNSの入力操作を教えるメニューは6事業所にあり、うち2事業所は在宅で受けられると明記されていました。メニュー名には、WEBサイト制作、ホームページ作成ツールの使い方、事業所内SNS/チャット操作(Workplace from Meta)、タイピング甲子園といった名前が並んでいます。教えているのは入力操作というスキルであり、CMS入稿そのものを教えているわけではありません。Webサイト・EC運営事務という部署名は、障害者向けを含む求人サイト7件(ハローワークインターネットサービスを含む)のうち1件の職種カテゴリと一致します。ただし「CMS入稿」という作業名まで一致しているわけではありません。高齢・障害・求職者雇用支援機構の調査研究報告書は、職務をつくる方法の1つとして、職場にある定型反復的な作業を探し出し、切り出して再構成する「切り出し・再構成モデル」を挙げています。CMS入稿は、この型に当てはまる作業です。

Webサイト・EC運営事務にはこの後に任せられる作業も並んでいます

Webサイト・EC運営事務には、CMS入稿のほかにも、売上集計、キャンペーン登録、商品画像の登録など、機密度が低く訓練メニューにも挙がっている作業が並んでいます。一方で、誤字・リンク切れの確認は、今回確認した7事業所の訓練メニューには載っていませんでした(載っていない、という意味であり、教えていないという意味ではありません)。注文データの整理、発送状況の更新、レビューの分類は、要るスキルが会社によって違うため、今回は訓練の有無を判定していません。作業によって訓練の有無は違い、同じように切り出せるとは限りません。なお、「入力する」という同じ動きの作業は、部署をまたいで46あり、Web・ブログの記事登録、キャンペーン登録、スキャンとPDF化なども同じ動きに数えられます。

次にできること

このサイトの計算表(/keisan.html)では、任せたい作業に印を付け、1回あたりの分数と回数を自社の数字で入れると、1週間の合計時間が出ます。障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口という、全国の採用担当者を対象にした厚生労働省の委託事業もあります。業務の選定から定着までの相談が最大5回、オーダーメイドの形で無料で受けられ、申し込みはフォームか電話、相談は対面(訪問)かオンラインで行われています。

CMS入稿のデータ

部署Webサイト・EC運営事務
動き入力する
機密度低
要るスキル文字入力・データ入力/CMS・SNSの入力操作
訓練にあるか⭕スキルが訓練に有る=6/7事業所(うち在宅可と明記 2事業所)
つながった訓練メニューCMS・SNSの入力操作←WEBサイト制作/CMS・SNSの入力操作←ホームページ作成ツールの使い方/CMS・SNSの入力操作←事業所内SNS/チャット操作(Workplace from Meta)/文字入力・データ入力←タイピング甲子園
在宅の札出社の条件なし
在宅の条件—
在宅からつなぐ物管理画面
見る範囲—
求人サイトでの出現部署名が1/7サイトの職種カテゴリに一致(作業名は一致なし)

同じWebサイト・EC運営事務にある、ほかの作業

作業動き機密度訓練にあるか
商品情報の登録更新入力する・整える低⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
価格・在庫・掲載内容の照合照合する低⭕スキルが訓練に有る=1/7事業所(うち在宅可と明記 0事業所)
商品画像の登録入力する低⭕スキルが訓練に有る=4/7事業所(うち在宅可と明記 2事業所)
誤字・リンク切れの確認照合する低⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い
注文データの整理整える低❓要るスキルがまだ決まっていない
発送状況の更新整える低❓要るスキルがまだ決まっていない
レビューの分類分類する低❓要るスキルがまだ決まっていない
売上集計集計する低⭕スキルが訓練に有る=2/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
キャンペーン登録入力する低⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)

Webサイト・EC運営事務の作業をすべて見る

CMS入稿に印を付けて、週の合計時間を数える

公的な相談先

このサイトは一覧を並べるだけで、制度の可否は判断しません。実際に進めるときは、下の公的な窓口で確認してください。

窓口対象できること申込の形
障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口(企業向け・厚生労働省の委託事業)
twp.mhlw.go.jp
全国の採用担当者業務の選定から定着までの相談。最大5回のオーダーメイド支援。無料申込フォームまたは電話。相談は対面(相談員が訪問)かオンライン
地域障害者職業センター(高齢・障害・求職者雇用支援機構)
jeed.go.jp/location/chiiki/
事業主障害者の雇用管理に関する相談・援助。大阪障害者職業センターは「サポートはすべて無料」と明記最寄りのセンターに問い合わせ
ハローワーク事業主職務内容の検討の助言。高齢・障害・求職者雇用支援機構の手引き「職務内容の選定」が相談先に挙げている窓口で相談
高齢・障害・求職者雇用支援機構の障害者職業総合センターは、職務をつくる方法を3つのモデルで整理しています(調査研究報告書No.133・2017年3月)=切り出し・再構成モデル(職場にある定型反復的な作業を探し出し、切り出して再構成する)、積み上げモデル(限定的な職務から始めて、時間をかけて幅を広げる)、特化モデル(得意な分野に専念できるようにする)。このサイトの一覧は1つめのモデルの材料です。

出典と調べた日

求人サイト7件と就労移行支援事業所7件の公開ページ(2026-09-19に確認・名前とURLはこのサイトについて)/職務をつくる3つのモデル=障害者職業総合センター調査研究報告書No.133(2026-09-21に確認)/相談先=各窓口の公開ページ(2026-09-21に確認)。

「—」や「訓練に無い」は、調べた公開ページに書かれていなかったという意味で、教えていない・その作業が無いという意味ではありません。

困りごとの原文=厚生労働省の委託事業「障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口」(公開ページ)(2026-09-21に確認)。