障害者雇用の業務切り出し

人事担当者のための Webからの情報収集の切り出し|全部署共通から在宅の1人へ

このページは、全部署共通の「Webからの情報収集」を在宅の1人に任せられないかを考えている人事担当者のためのページです。

担当業務の拡大は、調べものの切り出しからでも始められる

障害者雇用の枠はあるのに、応募が来ない、任せる仕事が見当たらない、在宅という働き方も検討したことがない。そんな状態のまま、枠だけが残っていないでしょうか。公的な窓口には、こんな声が寄せられています。

「また、今後の障がい者雇用には更なる多様性などへの対応が求められることも考えると、担当業務の拡大・作業量の確保も重要と考えられ、具体的に検討していく必要があると考えている。」
(高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害者雇用事例リファレンスサービス」の公開ページより)

業務の幅は、公開情報を調べる作業からでも広げられます。広報や営業事務にある「調べる」という作業も、その1つです。

業界ニュースの収集、企画の合間に押し込んでいませんか

下の場面は、よくある形をまとめたたとえです。特定の会社の話ではありません。

全部署共通|業界ニュースの収集を、在宅の1人が引き取る

広報の担当者は、自社に関係する業界のニュースや制度の変更をWebサイトで探し、社内で共有する一覧にまとめる作業を企画や取材の合間に行っています。企画の締め切りが近い時期は情報収集が後回しになり、共有する一覧の更新が止まってしまうことがあります。更新が止まると、社内が業界の動きを把握できないまま企画を進めてしまう心配も出てきます。担当者としても企画や取材そのものを優先せざるを得ず、日々の情報収集にまとまった時間を取りにくいのが実情です。情報収集だけを在宅の1人に切り出すと、広報担当者は企画や取材に集中でき、一覧の更新も止まりにくくなります。必要なのはネットで調べて表にする力で、扱う内容は公開されているニュースが中心のため機密度は低く、最初の1件として任せやすい業務です。

先ほどの場面にあるとおり、企画や取材は広報担当者が担っている本来の仕事です。業界のニュースをWebサイトで探して一覧にまとめる作業は、その企画とは別の動きにあたります。同じ人が両方を担っているあいだ、情報収集は企画に押し出され続けます。

取引先の公開情報を調べる作業も、同じ構図です

全部署共通|取引先の公開情報を調べてまとめる作業を、在宅の1人が引き取る

営業事務の担当者は、取引先の会社概要や事業内容といった公開されている情報をWebサイトで調べ、営業担当者が使う一覧にまとめる作業を、見積もりや請求の対応の合間に行っています。新しい取引先が増える時期は調べる件数も増え、対応業務に追われて一覧の更新が後回しになることがあります。更新が遅れると、営業担当者が古い情報のまま訪問先に向かってしまうこともあります。担当者としても見積もりや請求の対応を優先せざるを得ず、調べものにまとまった時間を取りにくいのが実情です。情報収集という作業だけを在宅の1人に任せると、営業事務の担当者は見積もりや請求の対応に集中でき、一覧も新しい状態を保ちやすくなります。必要なのはネットで調べて表にする力で、扱う内容は公開情報が中心のため機密度は低く、まず任せてみるのに向いています。

部署が違っても、構図は同じです。見積もりや請求という本来の仕事を担う人が調べものも兼ねているあいだ、新しい取引先が増えるほど一覧の更新は後回しにされていきます。

切り出せるのは「調べる」という1つの動きです

Webからの情報収集という作業を分解すると、必要なのはCMS・SNSの入力操作、ネットで調べて表にする力です。扱う内容は公開されているニュースや情報が中心のため、機密度は低に分類されています。企画や営業の判断は担当者の手元に残したまま、調べて表にするという動きだけを在宅の1人に渡す形です。

調べて表にする力を教えている訓練は、すでにあります

在宅の訓練をしている就労移行支援事業所7件の公開ページを確認したところ、CMS・SNSの入力操作につながるスキルを教えるメニューは3事業所にあり、うち1事業所は在宅で受けられると明記されていました。メニュー名には、WEBサイト制作、ホームページ作成ツールの使い方、事業所内SNS/チャット操作(Workplace from Meta)といった名前が並んでいます。教えているのは入力操作というスキルであり、Webからの情報収集そのものを教えているわけではありません。この作業は障害者向けを含む求人サイト7件(ハローワークインターネットサービスを含む)の職種カテゴリにも出てきません。高齢・障害・求職者雇用支援機構の調査研究報告書は、職務をつくる方法の1つとして、職場にある定型反復的な作業を探し出し、切り出して再構成する「切り出し・再構成モデル」を挙げています。Webからの情報収集は、この型に当てはまる作業です。

全部署共通にはこの後に任せられる作業も並んでいます

全部署共通という括りには、Webからの情報収集のほかにも、メール・フォームの受付と分類、データ入力、二つの資料の照合、Excel一覧の更新、数値の集計、定型メールの送信、マニュアルへの転記、定例レポートの作成など、機密度が低く訓練メニューにも挙がっている作業が並んでいます。一方で、ファイル名の統一、フォルダへの保存、日程調整、期限前のリマインド、議事録・文字起こし、書類のPDF化・データ化は、今回確認した7事業所の訓練メニューには載っていませんでした(載っていない、という意味であり、教えていないという意味ではありません)。なお、「調べる」という同じ動きの作業は、部署をまたいで6あり、企業・店舗・商品リスト作成、指定条件のWeb検索、競合価格調査なども同じ動きに数えられます。

次にできること

このサイトの計算表(/keisan.html)では、任せたい作業に印を付け、1回あたりの分数と回数を自社の数字で入れると、1週間の合計時間が出ます。障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口という、全国の採用担当者を対象にした厚生労働省の委託事業もあります。業務の選定から定着までの相談が最大5回、オーダーメイドの形で無料で受けられ、申し込みはフォームか電話、相談は対面(訪問)かオンラインで行われています。

Webからの情報収集のデータ

部署全部署共通
動き調べる
機密度低
要るスキルCMS・SNSの入力操作/ネットで調べて表にする
訓練にあるか⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
つながった訓練メニューCMS・SNSの入力操作←WEBサイト制作/CMS・SNSの入力操作←ホームページ作成ツールの使い方/CMS・SNSの入力操作←事業所内SNS/チャット操作(Workplace from Meta)
在宅の札出社の条件なし
在宅の条件—
在宅からつなぐ物表計算・メールなど一般的な道具
見る範囲—
求人サイトでの出現7サイトの職種カテゴリに無い(求人サイトは職種の粒で、作業の粒では分類していない)

同じ全部署共通にある、ほかの作業

作業動き機密度訓練にあるか
メール・フォームの受付と分類受け取る低⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 2事業所)
データ入力入力する低⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
二つの資料の照合照合する低⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
入力漏れ・誤字脱字の確認入力する・照合する低⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
Excel一覧の更新整える低⭕スキルが訓練に有る=2/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
数値の集計集計する低⭕スキルが訓練に有る=2/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
ファイル名の統一整える低⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い
フォルダへの保存整える低⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い
定型メールの送信連絡する低⭕スキルが訓練に有る=1/7事業所(うち在宅可と明記 0事業所)
日程調整期限を管理する低⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い
期限前のリマインド期限を管理する低⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い
議事録・文字起こし記録する低⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い
書類のPDF化・データ化入力する低⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い
マニュアルへの転記入力する低⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
定例レポートの作成集計する低⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)

全部署共通の作業をすべて見る

Webからの情報収集に印を付けて、週の合計時間を数える

公的な相談先

このサイトは一覧を並べるだけで、制度の可否は判断しません。実際に進めるときは、下の公的な窓口で確認してください。

窓口対象できること申込の形
障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口(企業向け・厚生労働省の委託事業)
twp.mhlw.go.jp
全国の採用担当者業務の選定から定着までの相談。最大5回のオーダーメイド支援。無料申込フォームまたは電話。相談は対面(相談員が訪問)かオンライン
地域障害者職業センター(高齢・障害・求職者雇用支援機構)
jeed.go.jp/location/chiiki/
事業主障害者の雇用管理に関する相談・援助。大阪障害者職業センターは「サポートはすべて無料」と明記最寄りのセンターに問い合わせ
ハローワーク事業主職務内容の検討の助言。高齢・障害・求職者雇用支援機構の手引き「職務内容の選定」が相談先に挙げている窓口で相談
高齢・障害・求職者雇用支援機構の障害者職業総合センターは、職務をつくる方法を3つのモデルで整理しています(調査研究報告書No.133・2017年3月)=切り出し・再構成モデル(職場にある定型反復的な作業を探し出し、切り出して再構成する)、積み上げモデル(限定的な職務から始めて、時間をかけて幅を広げる)、特化モデル(得意な分野に専念できるようにする)。このサイトの一覧は1つめのモデルの材料です。

出典と調べた日

求人サイト7件と就労移行支援事業所7件の公開ページ(2026-09-19に確認・名前とURLはこのサイトについて)/職務をつくる3つのモデル=障害者職業総合センター調査研究報告書No.133(2026-09-21に確認)/相談先=各窓口の公開ページ(2026-09-21に確認)。

「—」や「訓練に無い」は、調べた公開ページに書かれていなかったという意味で、教えていない・その作業が無いという意味ではありません。

困りごとの原文=高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害者雇用事例リファレンスサービス」(公開ページ)(2026-09-21に確認)。