障害者雇用の業務切り出し

人事担当者のための チャットの一次対応の切り出し|顧客対応事務から在宅の1人へ

このページは、顧客対応事務の「チャットの一次対応」を在宅の1人に任せられないかを考えている人事担当者のためのページです。

担当業務の拡大は、すでにある対応作業の中にもある

障害者雇用の枠はあるのに、応募が来ない、任せる仕事が見当たらない、在宅という働き方も検討したことがない。そんな状態のまま、枠だけが残っていないでしょうか。同じような言葉が、公的な資料にも残っています。

「また、今後の障がい者雇用には更なる多様性などへの対応が求められることも考えると、担当業務の拡大・作業量の確保も重要と考えられ、具体的に検討していく必要があると考えている。」
(高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害者雇用事例リファレンスサービス」の公開ページより)

担当業務を広げる入り口は、すでにある対応作業の中にもあります。顧客対応事務にある「連絡する」という作業も、その1つです。

問い合わせが集中する時期、チャットの一次対応は追いついていますか

下の場面は、よくある形をまとめたたとえです。特定の会社の話ではありません。

顧客対応事務|問い合わせが集中する時期のチャットの一次対応を、在宅の1人が引き取る

顧客対応事務の担当者は、チャットで届いた問い合わせに一次対応する作業を、個別対応が必要な判断といった判断業務の合間に行っています。問い合わせが集中する時期は対応する件数が増え、判断業務に追われて一次対応が後回しになることがあります。対応が遅れると、顧客を待たせたまま個別対応の判断に進めなくなることがあります。担当者としても個別対応が必要な判断を優先したいところですが、一次対応にも一定の時間を取られています。一次対応だけを在宅の1人に切り出すと、顧客対応事務の担当者は個別対応が必要な判断に集中でき、一次対応の遅れも起きにくくなります。必要なのは電話・チャットの一次対応の力で、扱う内容には顧客の氏名や連絡先といった個人情報が含まれるため、判断と承認は社内の担当者に残し、一次対応だけを在宅に切り出す形です。

先ほどの場面にあるとおり、個別対応が必要な判断は顧客対応事務の担当者が担っている判断業務です。チャットで届いた問い合わせに一次対応する作業は、その判断業務とは別の動きにあたります。同じ人が両方を担っているあいだ、一次対応は個別対応の判断に押し出され続けます。

チャネルが増えるほど、対応の内容はそろいますか

顧客対応事務|複数のチャネル分のチャットの一次対応を、在宅の1人が引き取る

複数のチャネルに届く問い合わせをまとめて一次対応している顧客対応事務の担当者は、チャネルごとに対応する内容が違う中で対応しており、チャネルの数が多い分だけ対応する件数も増えていきます。個別対応が必要な判断と重なると対応が後回しになり、チャネルによって対応の内容がそろわないまま進めてしまうこともあります。内容がそろわないと、あとから案内の食い違いに気づくこともあります。チャネルが増えるほど、一次対応が重くなっていきます。一次対応をまとめて在宅の1人に任せると、顧客対応事務の担当者は個別対応が必要な判断に専念でき、対応もチャネルをまたいで整った内容でそろいます。必要なのは電話・チャットの一次対応の力で、扱う内容には顧客の氏名や連絡先といった個人情報が含まれるため、判断と承認は社内の担当者に残し、一次対応だけを在宅にまとめて切り出す形です。

チャネルが違っても、構図は同じです。個別対応が必要な判断を担う人が一次対応も兼ねているあいだ、チャネルの数が多いほど対応する件数は増えていきます。

切り出せるのは「連絡する」という1つの動きです

チャットの一次対応という作業を分解すると、必要なのは電話・チャットの一次対応の力です。扱う内容には顧客の氏名や連絡先といった個人情報が含まれるため、機密度は中に分類されています。作業の説明には紙のやり取りやスキャン、電話や来社が必要な要素が書かれておらず、在宅で進めやすい作業に分類されています。在宅の担当者とは、表計算やメールといった一般的な道具でつながります。個別対応が必要な判断と承認は社内の担当者に残したまま、一次対応するという動きだけを在宅の1人に切り出す形です。

電話・チャットの一次対応を教えている訓練は、すでにあります

在宅の訓練をしている就労移行支援事業所7件の公開ページを確認したところ、電話・チャットの一次対応のスキルを教えるメニューは3事業所にあり、うち2事業所は在宅で受けられると明記されていました。メニュー名には、オンラインコミュニケーション、オンラインコミュニケーション(チャット対応・ビデオ会議・適切な報連相)、チャット連絡・ビデオ通話、事業所内SNS/チャット操作(Workplace from Meta)といった名前が並んでいます。教えているのは一次対応というスキルであり、チャットの一次対応そのものを教えているわけではありません。この作業は障害者向けを含む求人サイト7件(ハローワークインターネットサービスを含む)の職種カテゴリにも出てきません。高齢・障害・求職者雇用支援機構の調査研究報告書は、職務をつくる方法の1つとして、職場にある定型反復的な作業を探し出し、切り出して再構成する「切り出し・再構成モデル」を挙げています。チャットの一次対応は、この型に当てはまる作業です。

顧客対応事務にはこの後に任せられる作業も並んでいます

顧客対応事務という部署には、チャットの一次対応のほかにも、問い合わせメールの一次返信、問い合わせ内容の分類、対応履歴の入力、よくある質問の集計など、機密度は中でも訓練メニューに挙がっている作業が並んでいます。対応漏れの確認は機密度が中でかつ今回確認した7事業所の訓練メニューには載っていませんでした。FAQの更新は要るスキルが会社によって違うため今回は判定していません。折り返し依頼の記録と電話の一次受付は、在宅の条件を要する作業です。なお、「連絡する」という同じ動きの作業は、部署をまたいで17あり、ストレスチェックの案内、パスワード変更案内、メルマガ配信設定なども同じ動きに数えられます。

次にできること

このサイトの計算表(/keisan.html)では、任せたい作業に印を付け、1回あたりの分数と回数を自社の数字で入れると、1週間の合計時間が出ます。障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口という、全国の採用担当者を対象にした厚生労働省の委託事業もあります。業務の選定から定着までの相談が最大5回、オーダーメイドの形で無料で受けられ、申し込みはフォームか電話、相談は対面(訪問)かオンラインで行われています。

チャットの一次対応のデータ

部署顧客対応事務
動き連絡する
機密度
要るスキル電話・チャットの一次対応
訓練にあるか⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 2事業所)
つながった訓練メニュー電話・チャットの一次対応←オンラインコミュニケーション/電話・チャットの一次対応←オンラインコミュニケーション(チャット対応・ビデオ会議・適切な報連相)/電話・チャットの一次対応←チャット連絡・ビデオ通話/電話・チャットの一次対応←事業所内SNS/チャット操作(Workplace from Meta)
在宅の札在宅作業可能
在宅の条件
在宅からつなぐ物表計算・メールなど一般的な道具
見る範囲個人情報など(機密度 中)
求人サイトでの出現7サイトの職種カテゴリに無い(求人サイトは職種の粒で、作業の粒では分類していない)

同じ顧客対応事務にある、ほかの作業

作業動き機密度訓練にあるか
問い合わせメールの一次返信連絡する⭕スキルが訓練に有る=1/7事業所(うち在宅可と明記 0事業所)
FAQの更新整える❓要るスキルがまだ決まっていない
問い合わせ内容の分類分類する⭕スキルが訓練に有る=1/7事業所(うち在宅可と明記 0事業所)
対応履歴の入力入力する・連絡する・記録する⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
よくある質問の集計集計する⭕スキルが訓練に有る=2/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
対応漏れの確認照合する・連絡する⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い
折り返し依頼の記録記録する⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い
満足度アンケートの集計集計する⭕スキルが訓練に有る=2/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
電話の一次受付(クラウド電話が要る)受け取る⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 2事業所)

顧客対応事務の作業をすべて見る

チャットの一次対応に印を付けて、週の合計時間を数える

公的な相談先

このサイトは一覧を並べるだけで、制度の可否は判断しません。実際に進めるときは、下の公的な窓口で確認してください。

窓口対象できること申込の形
障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口(企業向け・厚生労働省の委託事業)
twp.mhlw.go.jp
全国の採用担当者業務の選定から定着までの相談。最大5回のオーダーメイド支援。無料申込フォームまたは電話。相談は対面(相談員が訪問)かオンライン
地域障害者職業センター(高齢・障害・求職者雇用支援機構)
jeed.go.jp/location/chiiki/
事業主障害者の雇用管理に関する相談・援助。大阪障害者職業センターは「サポートはすべて無料」と明記最寄りのセンターに問い合わせ
ハローワーク事業主職務内容の検討の助言。高齢・障害・求職者雇用支援機構の手引き「職務内容の選定」が相談先に挙げている窓口で相談
高齢・障害・求職者雇用支援機構の障害者職業総合センターは、職務をつくる方法を3つのモデルで整理しています(調査研究報告書No.133・2017年3月)=切り出し・再構成モデル(職場にある定型反復的な作業を探し出し、切り出して再構成する)、積み上げモデル(限定的な職務から始めて、時間をかけて幅を広げる)、特化モデル(得意な分野に専念できるようにする)。このサイトの一覧は1つめのモデルの材料です。

出典と調べた日

求人サイト7件と就労移行支援事業所7件の公開ページ(2026-09-19に確認・名前とURLはこのサイトについて)/職務をつくる3つのモデル=障害者職業総合センター調査研究報告書No.133(2026-09-21に確認)/相談先=各窓口の公開ページ(2026-09-21に確認)。

「—」や「訓練に無い」は、調べた公開ページに書かれていなかったという意味で、教えていない・その作業が無いという意味ではありません。

困りごとの原文=高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害者雇用事例リファレンスサービス」(公開ページ)(2026-09-21に確認)。