人事担当者のための マニュアル更新の切り出し|情報システム事務から在宅の1人へ
このページは、情報システム事務の「マニュアル更新」を在宅の1人に任せられないかを考えている人事担当者のためのページです。
まず知っておくべきことは何か、手順書の更新から考える
障害者雇用の枠はあるのに、応募が来ない、任せる仕事が見当たらない、在宅という働き方も検討したことがない。そんな状態のまま、枠だけが残っていないでしょうか。公的なQ&Aには、こんな言葉が並んでいます。
「障害者雇用を考える際に、まず知っておくべきことはありますか?」
(高齢・障害・求職者雇用支援機構「はじめての障害者雇用~事業主のためのQ&A~」の公開ページより)
知っておくべきことの手前には、手順書を整える作業があります。情報システム事務にある「整える」という作業も、その1つです。
システム変更のたびに後回しになるマニュアル更新、実態と合っていますか
情報システム事務|システム変更のたびに後回しになるマニュアル更新を、在宅の1人が引き取る
情報システムの担当者は、社内システムに変更が入るたびに、利用手順をまとめたマニュアルの該当箇所を書き直していますが、トラブル対応や問い合わせを優先するため、更新作業は後回しになりがちです。更新が遅れると、社員が古い手順のままシステムを操作してしまい、かえって問い合わせが増えてしまうこともあります。担当者としてもトラブルへの対応を最優先せざるを得ず、マニュアルを整える作業にまとまった時間を取りにくいのが実情です。変更が重なる時期ほど、書き直す箇所も積み重なっていきます。マニュアル更新だけを在宅の1人に切り出すと、情報システムの担当者はトラブル対応に集中でき、マニュアルも実際の手順に合わせて整えられていきます。扱う内容はシステムの操作手順が中心のため機密度は低く、最初の1件として任せやすい業務です。
先ほどの場面にあるとおり、トラブル対応や問い合わせは情報システムの担当者が担っている本来の仕事です。システムに変更が入るたびに利用手順の該当箇所を書き直す作業は、そのトラブル対応とは別の動きにあたります。同じ人が両方を担っているあいだ、マニュアルの更新はトラブル対応に押し出され続けます。
複数システム分の更新も、同じ構図です
情報システム事務|複数システム分のマニュアルをまとめて更新する作業を、在宅の1人が引き取る
情報システムの担当者は、社内で使う複数のシステムそれぞれについてマニュアルを用意しており、システムが増えるたびに更新の必要な箇所も増えていきます。問い合わせ対応をこなしながらの更新になるため、まとまった時間を取れないまま古い記載が残ってしまうこともあります。マニュアルが実態と合っていないと、社員からの問い合わせがかえって増え、対応の負担が積み重なります。担当者としても目の前の問い合わせを優先せざるを得ず、更新は手が空いたときにまとめて行う作業になりがちです。マニュアル更新をまとめて在宅の1人に任せると、情報システムの担当者は問い合わせ対応に専念でき、マニュアルも複数のシステムにわたって整った状態を保てます。扱う内容はシステムの操作手順が中心のため機密度は低く、切り出しの入り口として試しやすい業務です。
システムが違っても、構図は同じです。問い合わせ対応という本来の仕事を担う人が更新も兼ねているあいだ、システムが増えるほど更新の必要な箇所は積み重なっていきます。
切り出せるのは「整える」という1つの動きです
マニュアル更新という作業を分解すると、扱う内容はシステムの操作手順が中心のため、機密度は低に分類されています。トラブル対応や問い合わせの判断は担当者の手元に残したまま、マニュアルを整えるという動きだけを在宅の1人に渡す形です。作業の説明には、紙のやり取りや会議への出席は出てきません。在宅でも進めやすい作業ではないでしょうか。在宅からは、社内のシステムを使ってこの作業に関わる形になります。
訓練メニューには載っていません。それでも切り出せる理由
マニュアル更新で要るスキルは、マニュアルの形式が会社によって違うため、今回は判定していません。会社ごとに違う、という意味であり、誰にもできないという意味ではありません。この作業は障害者向けを含む求人サイト7件(ハローワークインターネットサービスを含む)の職種カテゴリにも出てきません。高齢・障害・求職者雇用支援機構の調査研究報告書は、職務をつくる方法の1つとして、職場にある定型反復的な作業を探し出し、切り出して再構成する「切り出し・再構成モデル」を挙げています。マニュアル更新は、この型に当てはまる作業です。
情報システム事務にはこの後に任せられる作業も並んでいます
情報システム事務という部署には、マニュアル更新のほかにも、PC・備品台帳、ライセンス台帳、パスワード変更案内など、機密度が低く訓練メニューにも挙がっている作業が並んでいます。入退社に伴うアカウント一覧は機密度が中でも訓練メニューにはあり、アカウント発行申請の受付は機密度が高い分、見る範囲にアカウントの権限という情報を含むため、最初の1件には向きません。マニュアル更新のように要るスキルが会社によって違う作業は、訓練の有無だけでなく、社内でどこまで手順が言葉にされているかも、判断の手がかりになるのではないでしょうか。なお、「整える」という同じ動きの作業は、部署をまたいで62あり、Excel一覧の更新、FAQの更新、タスク一覧なども同じ動きに数えられます。
次にできること
このサイトの計算表(/keisan.html)では、任せたい作業に印を付け、1回あたりの分数と回数を自社の数字で入れると、1週間の合計時間が出ます。障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口という、全国の採用担当者を対象にした厚生労働省の委託事業もあります。業務の選定から定着までの相談が最大5回、オーダーメイドの形で無料で受けられ、申し込みはフォームか電話、相談は対面(訪問)かオンラインで行われています。
マニュアル更新のデータ
| 部署 | 情報システム事務 |
|---|---|
| 動き | 整える |
| 機密度 | 低 |
| 要るスキル | 会社によって中身が違うため、このサイトでは1つに決めていません |
| 訓練にあるか | ❓要るスキルがまだ決まっていない |
| つながった訓練メニュー | — |
| 在宅の札 | 出社の条件なし |
| 在宅の条件 | — |
| 在宅からつなぐ物 | 社内のシステム |
| 見る範囲 | — |
| 求人サイトでの出現 | 7サイトの職種カテゴリに無い(求人サイトは職種の粒で、作業の粒では分類していない) |
同じ情報システム事務にある、ほかの作業
| 作業 | 動き | 機密度 | 訓練にあるか |
|---|---|---|---|
| PC・備品台帳 | 記録する | 低 | ⭕スキルが訓練に有る=1/7事業所(うち在宅可と明記 0事業所) |
| アカウント発行申請の受付 | 受け取る | 高 | ⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 2事業所) |
| 入退社に伴うアカウント一覧 | 整える | 中 | ⭕スキルが訓練に有る=2/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所) |
| ライセンス台帳 | 記録する | 低 | ⭕スキルが訓練に有る=1/7事業所(うち在宅可と明記 0事業所) |
| パスワード変更案内 | 連絡する | 低 | ⭕スキルが訓練に有る=1/7事業所(うち在宅可と明記 0事業所) |
| 定型問い合わせの一次受付 | 受け取る | 低 | ⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 2事業所) |
| 利用状況の集計 | 集計する | 低 | ⭕スキルが訓練に有る=2/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所) |
| 機器の貸出返却記録 | 記録する | 低 | ⭕スキルが訓練に有る=4/7事業所(うち在宅可と明記 2事業所) |
公的な相談先
このサイトは一覧を並べるだけで、制度の可否は判断しません。実際に進めるときは、下の公的な窓口で確認してください。
| 窓口 | 対象 | できること | 申込の形 |
|---|---|---|---|
| 障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口(企業向け・厚生労働省の委託事業) twp.mhlw.go.jp |
全国の採用担当者 | 業務の選定から定着までの相談。最大5回のオーダーメイド支援。無料 | 申込フォームまたは電話。相談は対面(相談員が訪問)かオンライン |
| 地域障害者職業センター(高齢・障害・求職者雇用支援機構) jeed.go.jp/location/chiiki/ |
事業主 | 障害者の雇用管理に関する相談・援助。大阪障害者職業センターは「サポートはすべて無料」と明記 | 最寄りのセンターに問い合わせ |
| ハローワーク | 事業主 | 職務内容の検討の助言。高齢・障害・求職者雇用支援機構の手引き「職務内容の選定」が相談先に挙げている | 窓口で相談 |
出典と調べた日
求人サイト7件と就労移行支援事業所7件の公開ページ(2026-09-19に確認・名前とURLはこのサイトについて)/職務をつくる3つのモデル=障害者職業総合センター調査研究報告書No.133(2026-09-21に確認)/相談先=各窓口の公開ページ(2026-09-21に確認)。
「—」や「訓練に無い」は、調べた公開ページに書かれていなかったという意味で、教えていない・その作業が無いという意味ではありません。
困りごとの原文=高齢・障害・求職者雇用支援機構「はじめての障害者雇用~事業主のためのQ&A~」(公開ページ)(2026-09-21に確認)。