人事担当者のための 住所・電話の確認の切り出し|マスターデータ管理から在宅の1人へ
このページは、マスターデータ管理の「住所・電話の確認」を在宅の1人に任せられないかを考えている人事担当者のためのページです。
どんな仕事・勤務形態で働いてもらうか、確認作業から考える
障害者雇用の枠はあるのに、応募が来ない、任せる仕事が見当たらない、在宅という働き方も検討したことがない。そんな状態のまま、枠だけが残っていないでしょうか。同じような言葉が、公的な資料にも残っています。
「まずは、障害者にどのような仕事・勤務形態で働いてもらうかを検討した。」
(高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害者雇用事例リファレンスサービス」の公開ページより)
検討の入り口は、新しい業務でなくてもかまいません。マスターデータ管理にある「照合する」という作業も、切り出せる仕事の1つです。
更新の依頼が重なる時期、住所や電話の確認は追いついていますか
マスターデータ管理|更新の依頼が重なる時期の住所・電話の確認を、在宅の1人が引き取る
マスターデータ管理の担当者は、登録されている住所や電話番号が最新かどうかを確認する作業を、精査や例外データの判断といった判断業務の合間に行っています。更新の依頼が重なる時期は確認する件数が増え、判断業務に追われて住所・電話の確認が後回しになることがあります。確認が遅れると、古い住所や電話番号のまま連絡し、あとから確認を取り直すことになります。担当者としても精査や例外データの判断を優先したいところですが、住所・電話の確認にも一定の時間を取られています。住所・電話の確認だけを在宅の1人に切り出すと、マスターデータ管理の担当者は精査や例外データの判断に集中でき、確認の遅れも起きにくくなります。必要なのは見比べて違いを見つける力と電話・チャットの一次対応の力で、扱う内容には顧客や取引先の住所・電話番号といった個人情報が含まれるため、判断と承認は社内の担当者に残し、確認だけを在宅に切り出す形です。
先ほどの場面にあるとおり、精査や例外データの判断はマスターデータ管理の担当者が担っている本来の仕事です。住所や電話番号が最新かを確認する作業は、その判断業務とは別の動きにあたります。同じ人が両方を担っているあいだ、確認作業は判断業務に押し出され続けます。
複数の取引先分の確認も、同じ構図です
マスターデータ管理|複数の取引先分の住所・電話の確認を、在宅の1人が引き取る
複数の取引先の住所や電話番号を確認しているマスターデータ管理の担当者は、取引先ごとに連絡の取りやすさが違う中で対応しており、取引先の数が多い分だけ確認する件数も増えていきます。精査や例外データの判断と重なると確認が後回しになり、取引先によって確認の精度がそろわないまま進めてしまうこともあります。精度がそろわないと、確認が甘いと、あとから宛先の誤りが発覚することもあります。取引先が増えるほど、住所・電話の確認が重くなっていきます。住所・電話の確認をまとめて在宅の1人に任せると、マスターデータ管理の担当者は精査や例外データの判断に専念でき、確認も取引先をまたいで整った精度でそろいます。必要なのは見比べて違いを見つける力と電話・チャットの一次対応の力で、扱う内容には顧客や取引先の住所・電話番号といった個人情報が含まれるため、判断と承認は社内の担当者に残し、確認だけを在宅にまとめて切り出す形です。
取引先の数が違っても、構図は同じです。精査や例外データの判断という本来の仕事を担う人が確認も兼ねているあいだ、取引先が増えるほど確認の精度はそろいにくくなっていきます。
切り出せるのは「照合する」という1つの動きです
住所・電話の確認という作業を分解すると、必要なのは見比べて違いを見つける力と電話・チャットの一次対応の力です。扱う内容には個人情報が含まれるため、機密度は中に分類されています。精査や例外データの判断と承認はマスターデータ管理の担当者に残したまま、確認するという動きだけを在宅の1人に切り出す形です。
電話・チャットの一次対応につながる訓練は、すでにあります
在宅の訓練をしている就労移行支援事業所7件の公開ページを確認したところ、見比べて違いを見つける力・電話・チャットの一次対応につながるスキルを教えるメニューは3事業所にあり、うち2事業所は在宅で受けられると明記されていました。メニュー名には、オンラインコミュニケーション、オンラインコミュニケーション(チャット対応・ビデオ会議・適切な報連相)、チャット連絡・ビデオ通話、事業所内SNS/チャット操作(Workplace from Meta)といった名前が並んでいます。教えているのは一次対応というスキルであり、住所・電話の確認そのものを教えているわけではありません。この作業は障害者向けを含む求人サイト7件(ハローワークインターネットサービスを含む)の職種カテゴリにも出てきません。高齢・障害・求職者雇用支援機構の調査研究報告書は、職務をつくる方法の1つとして、職場にある定型反復的な作業を探し出し、切り出して再構成する「切り出し・再構成モデル」を挙げています。住所・電話の確認は、この型に当てはまる作業です。
マスターデータ管理にはこの後に任せられる作業も並んでいます
マスターデータ管理には、住所・電話の確認のほかにも、表記ゆれ修正、定期レポート用データの準備など、訓練メニューにも挙がっている作業が並んでいます。住所・電話の確認のほか、顧客・商品マスターの登録更新、取引先の名寄せも個人情報を扱うため機密度は中です。取引先の名寄せ、重複確認、データ突合は、見比べて違いを見つける力が要る一方、今回確認した7事業所の訓練メニューには載っていませんでした(載っていない、という意味であり、教えていないという意味ではありません)。古い情報の抽出とCSV整形は、要るスキルが会社によって違うため、今回は訓練の有無を判定していません。作業によって機密度と訓練の有無は違い、同じように切り出せるとは限りません。なお、「照合する」という同じ動きの作業は、部署をまたいで27あり、チェックリスト回収、データ突合、不備・未提出一覧なども同じ動きに数えられます。
次にできること
このサイトの計算表(/keisan.html)では、任せたい作業に印を付け、1回あたりの分数と回数を自社の数字で入れると、1週間の合計時間が出ます。障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口という、全国の採用担当者を対象にした厚生労働省の委託事業もあります。業務の選定から定着までの相談が最大5回、オーダーメイドの形で無料で受けられ、申し込みはフォームか電話、相談は対面(訪問)かオンラインで行われています。
住所・電話の確認のデータ
| 部署 | マスターデータ管理 |
|---|---|
| 動き | 照合する |
| 機密度 | 中 |
| 要るスキル | 見比べて違いを見つける/電話・チャットの一次対応 |
| 訓練にあるか | ⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 2事業所) |
| つながった訓練メニュー | 電話・チャットの一次対応←オンラインコミュニケーション/電話・チャットの一次対応←オンラインコミュニケーション(チャット対応・ビデオ会議・適切な報連相)/電話・チャットの一次対応←チャット連絡・ビデオ通話/電話・チャットの一次対応←事業所内SNS/チャット操作(Workplace from Meta) |
| 在宅の札 | 在宅作業可能 |
| 在宅の条件 | — |
| 在宅からつなぐ物 | マスターデータ |
| 見る範囲 | 個人情報など(機密度 中) |
| 求人サイトでの出現 | 7サイトの職種カテゴリに無い(求人サイトは職種の粒で、作業の粒では分類していない) |
同じマスターデータ管理にある、ほかの作業
| 作業 | 動き | 機密度 | 訓練にあるか |
|---|---|---|---|
| 顧客・商品マスターの登録更新 | 入力する・整える | 中 | ⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所) |
| 取引先の名寄せ | 照合する | 中 | ⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い |
| 重複確認 | 照合する | 低 | ⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い |
| 表記ゆれ修正 | 整える | 低 | ⭕スキルが訓練に有る=2/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所) |
| 古い情報の抽出 | 照合する | 低 | ❓要るスキルがまだ決まっていない |
| CSV整形 | 整える | 低 | ❓要るスキルがまだ決まっていない |
| データ突合 | 照合する | 低 | ⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い |
| 定期レポート用データの準備 | 集計する | 低 | ⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所) |
公的な相談先
このサイトは一覧を並べるだけで、制度の可否は判断しません。実際に進めるときは、下の公的な窓口で確認してください。
| 窓口 | 対象 | できること | 申込の形 |
|---|---|---|---|
| 障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口(企業向け・厚生労働省の委託事業) twp.mhlw.go.jp |
全国の採用担当者 | 業務の選定から定着までの相談。最大5回のオーダーメイド支援。無料 | 申込フォームまたは電話。相談は対面(相談員が訪問)かオンライン |
| 地域障害者職業センター(高齢・障害・求職者雇用支援機構) jeed.go.jp/location/chiiki/ |
事業主 | 障害者の雇用管理に関する相談・援助。大阪障害者職業センターは「サポートはすべて無料」と明記 | 最寄りのセンターに問い合わせ |
| ハローワーク | 事業主 | 職務内容の検討の助言。高齢・障害・求職者雇用支援機構の手引き「職務内容の選定」が相談先に挙げている | 窓口で相談 |
出典と調べた日
求人サイト7件と就労移行支援事業所7件の公開ページ(2026-09-19に確認・名前とURLはこのサイトについて)/職務をつくる3つのモデル=障害者職業総合センター調査研究報告書No.133(2026-09-21に確認)/相談先=各窓口の公開ページ(2026-09-21に確認)。
「—」や「訓練に無い」は、調べた公開ページに書かれていなかったという意味で、教えていない・その作業が無いという意味ではありません。
困りごとの原文=高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害者雇用事例リファレンスサービス」(公開ページ)(2026-09-21に確認)。