障害者雇用の業務切り出し

人事担当者のための 入力漏れの確認の切り出し|データ入力・照合から在宅の1人へ

このページは、データ入力・照合の「入力漏れの確認」を在宅の1人に任せられないかを考えている人事担当者のためのページです。

頼む仕事が見つからないときほど、確認作業を見落としやすい

障害者雇用の枠はあるのに、応募が来ない、任せる仕事が見当たらない、在宅という働き方も検討したことがない。そんな状態のまま、枠だけが残っていないでしょうか。現場からは、こんな声が上がっています。

「障害者雇用の最大の課題は「頼む仕事がない」」
(厚生労働省の委託事業「障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口」の公開ページより)

頼む仕事は、目立つ動きの中だけにあるとは限りません。データ入力・照合にある「入力漏れの確認」という作業も、切り出せる仕事の1つです。

入力の件数が重なる時期、漏れの確認は追いついていますか

下の場面は、よくある形をまとめたたとえです。特定の会社の話ではありません。

データ入力・照合|入力の件数が重なる時期の入力漏れの確認を、在宅の1人が引き取る

データ入力・照合の担当者は、入力済みのデータに空欄や抜けがないかを一件ずつ確認する作業を、例外対応や判断が必要な確認といった判断業務の合間に行っています。入力の件数が重なる時期は確認する対象が増え、判断業務に追われて確認そのものが後回しになることがあります。確認が遅れると、漏れたままのデータが次の工程に流れてしまい、あとから気づいて差し戻す手間が生じます。担当者としても例外対応や判断が必要な確認を優先したいところですが、入力漏れの確認にも一定の時間を取られています。入力漏れの確認だけを在宅の1人に切り出すと、データ入力・照合の担当者は例外対応や判断が必要な確認に集中でき、漏れも見つかりやすくなります。必要なのは文字入力・データ入力の力と見比べて違いを見つける力で、扱う内容は入力済みの業務データが中心のため機密度は低く、最初の1件として任せやすい業務です。

先ほどの場面にあるとおり、例外対応や判断が必要な確認はデータ入力・照合の担当者が担っている本来の仕事です。入力漏れの確認という作業は、その判断業務とは別の動きにあたります。同じ人が両方を担っているあいだ、確認という作業は判断業務に押し出され続けます。

複数の入力担当分の確認も、同じ構図です

データ入力・照合|複数の入力担当分の入力漏れの確認を、在宅の1人が引き取る

複数の担当者が入力したデータをまとめて確認しているデータ入力・照合の担当者は、入力する人ごとに癖や抜けやすい項目が違う中で対応しており、担当者の数が多い分だけ確認する件数も増えていきます。判断業務と重なると確認が後回しになり、担当者によって見る細かさがそろわないまま進めてしまうこともあります。細かさがそろわないと、見落とした漏れが後工程で発覚し、あとから一件ずつ洗い直すことになります。担当者が増えるほど、確認する作業そのものが重くなっていきます。入力漏れの確認をまとめて在宅の1人に任せると、データ入力・照合の担当者は例外対応や判断が必要な確認に専念でき、確認も担当者をまたいで整った精度でそろいます。必要なのは文字入力・データ入力の力と見比べて違いを見つける力で、扱う内容は入力済みの業務データが中心のため機密度は低く、まず任せてみるのに向いています。

部署が違っても、構図は同じです。判断業務を担う人が確認という動きも兼ねているあいだ、入力する担当者の数が多いほど見落としは大きくなっていきます。

切り出せるのは「入力する」と「照合する」の2つの動きです

入力漏れの確認という作業を分解すると、必要なのは「入力する」と「照合する」という2つの動きと、文字入力・データ入力の力と見比べて違いを見つける力です。扱う内容は入力済みの業務データが中心のため、機密度は低に分類されています。例外対応や判断が必要な確認はデータ入力・照合の担当者の手元に残したまま、確認するという動きだけを在宅の1人に渡す形です。この作業には紙・スキャン・電話・名刺・会議への出席が伴わないため、在宅作業可能に数えられています。テレワーク導入を検討するときに、候補になりやすい作業です。在宅からは表計算・メールなど一般的な道具でつながります。

文字入力・データ入力を教えている訓練は、すでにあります

在宅の訓練をしている就労移行支援事業所7件の公開ページを確認したところ、文字入力・データ入力のスキルを教えるメニューは3事業所にあり、うち1事業所は在宅で受けられると明記されていました。メニュー名には、タイピング甲子園、パソコン入力作業訓練、個別学習(タイピング)、実務トレーニング(データ入力など)といった名前が並んでいます。教えているのは文字入力・データ入力というスキルであり、入力漏れの確認そのものを教えているわけではありません。この作業は障害者向けを含む求人サイト7件(ハローワークインターネットサービスを含む)の職種カテゴリにも出てきません。求人サイトは職種という大きな粒で分類しているため、「入力漏れの確認」のような1つの作業の粒までは分類されていないのです。高齢・障害・求職者雇用支援機構の調査研究報告書は、職務をつくる方法の1つとして、職場にある定型反復的な作業を探し出し、切り出して再構成する「切り出し・再構成モデル」を挙げています。入力漏れの確認は、この型に当てはまる作業です。

データ入力・照合にはこの後に任せられる作業も並んでいます

データ入力・照合という部署には、入力漏れの確認のほかにも、紙資料のデータ入力、二つの資料の照合、表記ゆれの修正、入力結果の抜き取り検査など、機密度が低く訓練メニューにも挙がっている作業が並んでいます。誤字脱字の確認、重複データの確認、スキャンとPDF化は、今回確認した7事業所の訓練メニューには見当たりませんでした(見当たらない、という意味であり、教えていないという意味ではありません)。CSVの整形とデータの並べ替えは、要るスキルが会社によって違うため、今回は訓練の有無を判定していません。このうちスキャンとPDF化だけは紙の原本を扱う作業そのものであるため出社が要ると数えられており、紙資料のデータ入力は条件つきで在宅の作業に数えられています。作業によって訓練の有無と在宅の条件は違い、同じように切り出せるとは限りません。なお、「入力する」という同じ動きの作業は、部署をまたいで70あり、CMS入稿、Web・ブログの記事登録、キャンペーン登録なども同じ動きに数えられます。

次にできること

このサイトの計算表(/keisan.html)では、任せたい作業に印を付け、1回あたりの分数と回数を自社の数字で入れると、1週間の合計時間が出ます。障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口という、全国の採用担当者を対象にした厚生労働省の委託事業もあります。業務の選定から定着までの相談が最大5回、オーダーメイドの形で無料で受けられ、申し込みはフォームか電話、相談は対面(訪問)かオンラインで行われています。

入力漏れの確認のデータ

部署データ入力・照合
動き入力する・照合する
機密度
要るスキル文字入力・データ入力/見比べて違いを見つける
訓練にあるか⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
つながった訓練メニュー文字入力・データ入力←タイピング甲子園/文字入力・データ入力←パソコン入力作業訓練/文字入力・データ入力←個別学習(タイピング)/文字入力・データ入力←実務トレーニング(データ入力など)
在宅の札在宅作業可能
在宅の条件
在宅からつなぐ物表計算・メールなど一般的な道具
見る範囲
求人サイトでの出現7サイトの職種カテゴリに無い(求人サイトは職種の粒で、作業の粒では分類していない)

同じデータ入力・照合にある、ほかの作業

作業動き機密度訓練にあるか
紙資料のデータ入力入力する⭕スキルが訓練に有る=4/7事業所(うち在宅可と明記 2事業所)
二つの資料の照合照合する⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
誤字脱字の確認照合する⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い
表記ゆれの修正整える⭕スキルが訓練に有る=2/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
重複データの確認照合する⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い
CSVの整形整える❓要るスキルがまだ決まっていない
スキャンとPDF化入力する⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い
データの並べ替え整える❓要るスキルがまだ決まっていない
入力結果の抜き取り検査入力する・照合する⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)

データ入力・照合の作業をすべて見る

入力漏れの確認に印を付けて、週の合計時間を数える

公的な相談先

このサイトは一覧を並べるだけで、制度の可否は判断しません。実際に進めるときは、下の公的な窓口で確認してください。

窓口対象できること申込の形
障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口(企業向け・厚生労働省の委託事業)
twp.mhlw.go.jp
全国の採用担当者業務の選定から定着までの相談。最大5回のオーダーメイド支援。無料申込フォームまたは電話。相談は対面(相談員が訪問)かオンライン
地域障害者職業センター(高齢・障害・求職者雇用支援機構)
jeed.go.jp/location/chiiki/
事業主障害者の雇用管理に関する相談・援助。大阪障害者職業センターは「サポートはすべて無料」と明記最寄りのセンターに問い合わせ
ハローワーク事業主職務内容の検討の助言。高齢・障害・求職者雇用支援機構の手引き「職務内容の選定」が相談先に挙げている窓口で相談
高齢・障害・求職者雇用支援機構の障害者職業総合センターは、職務をつくる方法を3つのモデルで整理しています(調査研究報告書No.133・2017年3月)=切り出し・再構成モデル(職場にある定型反復的な作業を探し出し、切り出して再構成する)、積み上げモデル(限定的な職務から始めて、時間をかけて幅を広げる)、特化モデル(得意な分野に専念できるようにする)。このサイトの一覧は1つめのモデルの材料です。

出典と調べた日

求人サイト7件と就労移行支援事業所7件の公開ページ(2026-09-19に確認・名前とURLはこのサイトについて)/職務をつくる3つのモデル=障害者職業総合センター調査研究報告書No.133(2026-09-21に確認)/相談先=各窓口の公開ページ(2026-09-21に確認)。

「—」や「訓練に無い」は、調べた公開ページに書かれていなかったという意味で、教えていない・その作業が無いという意味ではありません。

困りごとの原文=厚生労働省の委託事業「障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口」(公開ページ)(2026-09-21に確認)。