障害者雇用の業務切り出し

人事担当者のための 利用状況の集計の切り出し|情報システム事務から在宅の1人へ

このページは、情報システム事務の「利用状況の集計」を在宅の1人に任せられないかを考えている人事担当者のためのページです。

「頼む仕事がない」を崩す最初の1件は、集計作業かもしれない

障害者雇用の枠はあるのに、応募が来ない、任せる仕事が見当たらない、在宅という働き方も検討したことがない。そんな状態のまま、枠だけが残っていないでしょうか。公的な資料にも、同じような言葉が残っています。

「障害者雇用の最大の課題は「頼む仕事がない」」
(厚生労働省の委託事業「障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口」の公開ページより)

任せる仕事は、遠くにある新しい業務とは限りません。情報システム事務にある「集計する」という作業も、その1つです。

情報システム事務|月次のシステム利用状況の集計、締め切り前に慌てていませんか

下の場面は、よくある形をまとめたたとえです。特定の会社の話ではありません。

情報システム事務|月次で行うシステム利用状況の集計を、在宅の1人が引き取る

情報システムの担当者は、社内で使っているシステムのログインの回数や利用の件数を月に一度取りまとめ、報告用の表にする作業を問い合わせ対応の合間に行っています。問い合わせが立て込む時期は集計が後回しになり、報告の締め切りぎりぎりまで手を付けられないこともあります。集計が遅れると、システムの見直しを検討する判断のタイミングも遅れてしまいます。担当者としても問い合わせ対応を優先せざるを得ず、集計にまとまった時間を取りにくいのが実情です。利用状況の集計だけを在宅の1人に切り出すと、情報システムの担当者は問い合わせ対応に集中でき、月次の集計も遅れにくくなります。必要なのは表計算の基本操作で、扱う内容はシステムの利用件数といった業務データが中心のため機密度は低く、最初の1件として任せやすい業務です。

先ほどの場面にあるとおり、問い合わせへの対応は情報システムの担当者が担っている本来の仕事です。ログインの回数や利用件数を取りまとめて報告用の表にする作業は、その対応とは別の動きにあたります。同じ人が両方を担っているあいだ、集計作業は問い合わせ対応に押し出され続けます。

情報システム事務|複数システム分の利用状況、数字の出し方はそろっていますか

情報システム事務|複数システム分の利用状況をまとめる作業を、在宅の1人が引き取る

情報システムの担当者は、社内で使う複数のシステムそれぞれから利用状況の数字を集め、ひとつの表にまとめる作業をしており、システムが増えるほど集める先も多くなります。トラブル対応が入ると集計の作業が中断され、どこまで集め終えたか確認し直す手間も発生します。集計が遅れると、契約の見直しやシステムの入れ替えといった判断の材料がそろわず、検討そのものが先送りになってしまいます。システムごとに数字の出し方も少しずつ違い、そろえる作業に手間がかかっています。利用状況の集計を在宅の1人に任せると、情報システムの担当者はトラブル対応に専念でき、集計も複数のシステムにわたって整った状態でそろいます。必要なのは表計算の基本操作で、扱う内容はシステムの利用件数が中心のため機密度は低く、切り出しの入り口として試しやすい業務です。

システムが増えるほど、集める先も増えていきます。トラブル対応が入ると集計が中断され、どこまで集め終えたか確認し直す手間も発生します。集計の窓口をひとつにまとめると、契約の見直しといった判断がしやすい状態でそろいます。

切り出せるのは「集計する」という1つの動きです

利用状況の集計という作業を分解すると、必要なのは表計算(Excel)の基本操作という基本のスキルです。扱う内容はシステムの利用件数といった業務データが中心のため、機密度は低に分類されています。契約の見直しやシステムの入れ替えといった判断は担当者の手元に残したまま、集計するという動きだけを在宅の1人に渡す形です。在宅の札は出社の条件なしで、在宅からは社内のシステムにつなぎます。

表計算の基本操作を教えている訓練は、すでにあります

在宅の訓練をしている就労移行支援事業所7件の公開ページを確認したところ、表計算(Excel)の基本操作を教えるメニューは2事業所にあり、うち1事業所は在宅で受けられると明記されていました。メニュー名には、Excel、Excelの基礎・応用といった名前が並んでいます。教えているのは表計算の基本操作であり、利用状況の集計そのものを教えているわけではありません。この作業は障害者向けを含む求人サイト7件(ハローワークインターネットサービスを含む)の職種カテゴリにも出てきません。高齢・障害・求職者雇用支援機構の調査研究報告書は、職務をつくる方法の1つとして、職場にある定型反復的な作業を探し出し、切り出して再構成する「切り出し・再構成モデル」を挙げています。利用状況の集計は、この型に当てはまる作業です。

情報システム事務には、この後に任せられる作業も並んでいます

情報システム事務という括りには、利用状況の集計のほかにも、PC・備品台帳、ライセンス台帳、パスワード変更案内、定型問い合わせの一次受付など、機密度が低く訓練メニューにも挙がっている作業が並んでいます。アカウント発行申請の受付は機密度が高、入退社に伴うアカウント一覧は機密度が中に分類されており、同じ部署でも扱う情報の範囲は作業ごとに違います。機器の貸出返却記録は電話の転送という条件を整えれば在宅にできる作業で、出社の条件なしと条件つきで在宅は分けて考える必要があります。なお、「集計する」という同じ動きの作業は、部署をまたいで24あり、アンケートの集計、テスト結果集計、勤怠データの集計なども同じ動きに数えられます。

次にできること

このサイトの計算表(/keisan.html)では、任せたい作業に印を付け、1回あたりの分数と回数を自社の数字で入れると、1週間の合計時間が出ます。障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口という、全国の採用担当者を対象にした厚生労働省の委託事業もあります。業務の選定から定着までの相談が最大5回、オーダーメイドの形で無料で受けられ、申し込みはフォームか電話、相談は対面(訪問)かオンラインで行われています。

利用状況の集計のデータ

部署情報システム事務
動き集計する
機密度低
要るスキル表計算(Excel)の基本操作
訓練にあるか⭕スキルが訓練に有る=2/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
つながった訓練メニュー表計算(Excel)の基本操作←Excel/表計算(Excel)の基本操作←Excelの基礎・応用
在宅の札出社の条件なし
在宅の条件—
在宅からつなぐ物社内のシステム
見る範囲—
求人サイトでの出現7サイトの職種カテゴリに無い(求人サイトは職種の粒で、作業の粒では分類していない)

同じ情報システム事務にある、ほかの作業

作業動き機密度訓練にあるか
PC・備品台帳記録する低⭕スキルが訓練に有る=1/7事業所(うち在宅可と明記 0事業所)
アカウント発行申請の受付受け取る高⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 2事業所)
入退社に伴うアカウント一覧整える中⭕スキルが訓練に有る=2/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
ライセンス台帳記録する低⭕スキルが訓練に有る=1/7事業所(うち在宅可と明記 0事業所)
パスワード変更案内連絡する低⭕スキルが訓練に有る=1/7事業所(うち在宅可と明記 0事業所)
マニュアル更新整える低❓要るスキルがまだ決まっていない
定型問い合わせの一次受付受け取る低⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 2事業所)
機器の貸出返却記録記録する低⭕スキルが訓練に有る=4/7事業所(うち在宅可と明記 2事業所)

情報システム事務の作業をすべて見る

利用状況の集計に印を付けて、週の合計時間を数える

公的な相談先

このサイトは一覧を並べるだけで、制度の可否は判断しません。実際に進めるときは、下の公的な窓口で確認してください。

窓口対象できること申込の形
障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口(企業向け・厚生労働省の委託事業)
twp.mhlw.go.jp
全国の採用担当者業務の選定から定着までの相談。最大5回のオーダーメイド支援。無料申込フォームまたは電話。相談は対面(相談員が訪問)かオンライン
地域障害者職業センター(高齢・障害・求職者雇用支援機構)
jeed.go.jp/location/chiiki/
事業主障害者の雇用管理に関する相談・援助。大阪障害者職業センターは「サポートはすべて無料」と明記最寄りのセンターに問い合わせ
ハローワーク事業主職務内容の検討の助言。高齢・障害・求職者雇用支援機構の手引き「職務内容の選定」が相談先に挙げている窓口で相談
高齢・障害・求職者雇用支援機構の障害者職業総合センターは、職務をつくる方法を3つのモデルで整理しています(調査研究報告書No.133・2017年3月)=切り出し・再構成モデル(職場にある定型反復的な作業を探し出し、切り出して再構成する)、積み上げモデル(限定的な職務から始めて、時間をかけて幅を広げる)、特化モデル(得意な分野に専念できるようにする)。このサイトの一覧は1つめのモデルの材料です。

出典と調べた日

求人サイト7件と就労移行支援事業所7件の公開ページ(2026-09-19に確認・名前とURLはこのサイトについて)/職務をつくる3つのモデル=障害者職業総合センター調査研究報告書No.133(2026-09-21に確認)/相談先=各窓口の公開ページ(2026-09-21に確認)。

「—」や「訓練に無い」は、調べた公開ページに書かれていなかったという意味で、教えていない・その作業が無いという意味ではありません。

困りごとの原文=厚生労働省の委託事業「障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口」(公開ページ)(2026-09-21に確認)。