障害者雇用の業務切り出し

人事担当者のための 取引先の名寄せの切り出し|マスターデータ管理から在宅の1人へ

このページは、マスターデータ管理の「取引先の名寄せ」を在宅の1人に任せられないかを考えている人事担当者のためのページです。

職務内容の選定は、見比べる作業からでも始められる

障害者雇用の枠はあるのに、応募が来ない、任せる仕事が見当たらない、在宅という働き方も検討したことがない。そんな状態のまま、枠だけが残っていないでしょうか。公的なQ&Aには、こんな言葉が並んでいます。

「障害者が従事する職務内容は、どのようにして選定したらよいでしょうか?」
(高齢・障害・求職者雇用支援機構「はじめての障害者雇用~事業主のためのQ&A~」の公開ページより)

選定の入り口は、表記の違うデータを見比べる作業でもかまいません。マスターデータ管理にある「照合する」という作業も、その1つです。

データの統合が重なる時期、名寄せの精度は保てていますか

下の場面は、よくある形をまとめたたとえです。特定の会社の話ではありません。

マスターデータ管理|データの統合が重なる時期の取引先の名寄せを、在宅の1人が引き取る

マスターデータ管理の担当者は、表記の違う同一の取引先データを見比べて一つにまとめる作業を、精査や例外データの判断といった判断業務の合間に行っています。データの統合が重なる時期は名寄せする件数が増え、判断業務に追われて取引先の名寄せが後回しになることがあります。名寄せが遅れると、同じ取引先が別々のデータとして残り、集計の数字が実態より多く出てしまうことがあります。担当者としても精査や例外データの判断を優先したいところですが、取引先の名寄せにも一定の時間を取られています。取引先の名寄せだけを在宅の1人に切り出すと、マスターデータ管理の担当者は精査や例外データの判断に集中でき、名寄せの精度も高まっていきます。必要なのは見比べて違いを見つける力で、扱う内容には取引先の名称や住所といった取引先情報が含まれるため、判断と承認は社内の担当者に残し、照合だけを在宅に切り出す形です。

先ほどの場面にあるとおり、精査や例外データの判断はマスターデータ管理の担当者が担っている本来の仕事です。取引先データを見比べてまとめる作業は、その判断業務とは別の動きにあたります。同じ人が両方を担っているあいだ、名寄せは判断業務に押し出され続けます。

複数の元データが混じる名寄せも、同じ構図です

マスターデータ管理|複数の元データが混じる取引先の名寄せを、在宅の1人が引き取る

複数の元データの名寄せを担当しているマスターデータ管理の担当者は、データの出どころごとに表記の癖が違う中で対応しており、元データの数が多い分だけ名寄せする件数も増えていきます。精査や例外データの判断と重なると名寄せが後回しになり、出どころによって名寄せの精度がそろわないまま進めてしまうこともあります。精度がそろわないと、同じはずの取引先が別の表記のまま残り、あとから集計のやり直しが発生します。元データが増えるほど、取引先の名寄せが重くなっていきます。取引先の名寄せをまとめて在宅の1人に任せると、マスターデータ管理の担当者は精査や例外データの判断に専念でき、名寄せも元データをまたいで整った精度でそろいます。必要なのは見比べて違いを見つける力で、扱う内容には取引先の名称や住所といった取引先情報が含まれるため、判断と承認は社内の担当者に残し、照合だけを在宅にまとめて切り出す形です。

元データの数が違っても、構図は同じです。精査や例外データの判断という本来の仕事を担う人が名寄せも兼ねているあいだ、元データが増えるほど表記の癖はそろいにくくなっていきます。

切り出せるのは「照合する」という1つの動きです

取引先の名寄せという作業を分解すると、必要なのは見比べて違いを見つける力です。扱う内容には個人情報が含まれるため、機密度は中に分類されています。精査や例外データの判断と承認はマスターデータ管理の担当者に残したまま、見比べるという動きだけを在宅の1人に切り出す形です。

訓練メニューには載っていません。それでも切り出せる理由

在宅の訓練をしている就労移行支援事業所7件の公開ページを確認したところ、見比べて違いを見つける力というスキルを教えるメニューは見当たりませんでした。載っていない、という意味であり、教えていないという意味ではありません。この作業は障害者向けを含む求人サイト7件(ハローワークインターネットサービスを含む)の職種カテゴリにも出てきません。高齢・障害・求職者雇用支援機構の調査研究報告書は、職務をつくる方法の1つとして、職場にある定型反復的な作業を探し出し、切り出して再構成する「切り出し・再構成モデル」を挙げています。取引先の名寄せは、この型に当てはまる作業です。

マスターデータ管理にはこの後に任せられる作業も並んでいます

マスターデータ管理には、取引先の名寄せのほかにも、表記ゆれ修正、定期レポート用データの準備など、訓練メニューにも挙がっている作業が並んでいます。取引先の名寄せのほか、顧客・商品マスターの登録更新、住所・電話の確認も個人情報を扱うため機密度は中です。重複確認、データ突合は、見比べて違いを見つける力が要る一方、今回確認した7事業所の訓練メニューには載っていませんでした(載っていない、という意味であり、教えていないという意味ではありません)。古い情報の抽出とCSV整形は、要るスキルが会社によって違うため、今回は訓練の有無を判定していません。作業によって機密度と訓練の有無は違い、同じように切り出せるとは限りません。なお、「照合する」という同じ動きの作業は、部署をまたいで27あり、チェックリスト回収、データ突合、二つの資料の照合なども同じ動きに数えられます。

次にできること

このサイトの計算表(/keisan.html)では、任せたい作業に印を付け、1回あたりの分数と回数を自社の数字で入れると、1週間の合計時間が出ます。障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口という、全国の採用担当者を対象にした厚生労働省の委託事業もあります。業務の選定から定着までの相談が最大5回、オーダーメイドの形で無料で受けられ、申し込みはフォームか電話、相談は対面(訪問)かオンラインで行われています。

取引先の名寄せのデータ

部署マスターデータ管理
動き照合する
機密度
要るスキル見比べて違いを見つける
訓練にあるか⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い
つながった訓練メニュー
在宅の札在宅作業可能
在宅の条件
在宅からつなぐ物マスターデータ
見る範囲個人情報など(機密度 中)
求人サイトでの出現7サイトの職種カテゴリに無い(求人サイトは職種の粒で、作業の粒では分類していない)

同じマスターデータ管理にある、ほかの作業

作業動き機密度訓練にあるか
顧客・商品マスターの登録更新入力する・整える⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
重複確認照合する⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い
表記ゆれ修正整える⭕スキルが訓練に有る=2/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
住所・電話の確認照合する⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 2事業所)
古い情報の抽出照合する❓要るスキルがまだ決まっていない
CSV整形整える❓要るスキルがまだ決まっていない
データ突合照合する⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い
定期レポート用データの準備集計する⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)

マスターデータ管理の作業をすべて見る

取引先の名寄せに印を付けて、週の合計時間を数える

公的な相談先

このサイトは一覧を並べるだけで、制度の可否は判断しません。実際に進めるときは、下の公的な窓口で確認してください。

窓口対象できること申込の形
障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口(企業向け・厚生労働省の委託事業)
twp.mhlw.go.jp
全国の採用担当者業務の選定から定着までの相談。最大5回のオーダーメイド支援。無料申込フォームまたは電話。相談は対面(相談員が訪問)かオンライン
地域障害者職業センター(高齢・障害・求職者雇用支援機構)
jeed.go.jp/location/chiiki/
事業主障害者の雇用管理に関する相談・援助。大阪障害者職業センターは「サポートはすべて無料」と明記最寄りのセンターに問い合わせ
ハローワーク事業主職務内容の検討の助言。高齢・障害・求職者雇用支援機構の手引き「職務内容の選定」が相談先に挙げている窓口で相談
高齢・障害・求職者雇用支援機構の障害者職業総合センターは、職務をつくる方法を3つのモデルで整理しています(調査研究報告書No.133・2017年3月)=切り出し・再構成モデル(職場にある定型反復的な作業を探し出し、切り出して再構成する)、積み上げモデル(限定的な職務から始めて、時間をかけて幅を広げる)、特化モデル(得意な分野に専念できるようにする)。このサイトの一覧は1つめのモデルの材料です。

出典と調べた日

求人サイト7件と就労移行支援事業所7件の公開ページ(2026-09-19に確認・名前とURLはこのサイトについて)/職務をつくる3つのモデル=障害者職業総合センター調査研究報告書No.133(2026-09-21に確認)/相談先=各窓口の公開ページ(2026-09-21に確認)。

「—」や「訓練に無い」は、調べた公開ページに書かれていなかったという意味で、教えていない・その作業が無いという意味ではありません。

困りごとの原文=高齢・障害・求職者雇用支援機構「はじめての障害者雇用~事業主のためのQ&A~」(公開ページ)(2026-09-21に確認)。