障害者雇用の業務切り出し

人事担当者のための 日程調整の切り出し|全部署共通から在宅の1人へ

このページは、全部署共通の「日程調整」を在宅の1人に任せられないかを考えている人事担当者のためのページです。

「どのような仕事をしてもらったらいいか」を、動きで分けてみる

障害者雇用の枠はあるのに、応募が来ない、任せる仕事が見当たらない、在宅という働き方も検討したことがない。そんな状態のまま、枠だけが残っていないでしょうか。公的な窓口には、こんな声が寄せられています。

「どのような仕事をしてもらったらいいかわからない」
(高齢・障害・求職者雇用支援機構「はじめての障害者雇用~事業主のためのQ&A~」の公開ページより)

仕事は職種の大きさで考えなくてもかまいません。予定を突き合わせる「期限を管理する」という作業も、切り出せる仕事の1つです。

来客対応と重なる日程調整、後回しになっていませんか

下の場面は、よくある形をまとめたたとえです。特定の会社の話ではありません。

全部署共通|来客対応と重なる会議室の日程調整を、在宅の1人が引き取る

総務の担当者は、社内の会議や来客の予定に合わせて会議室の空き状況を確認し、参加者の予定表を見ながら日程を調整しています。来客対応が重なる日は電話や受付の対応に追われ、日程調整の連絡が後回しになることがあります。調整が遅れると、参加者の予定がふさがってしまい、会議そのものの開催が延びてしまうこともあります。担当者としても来客対応を優先せざるを得ず、予定表を見比べる作業にまとまった時間を取りにくいのが実情です。日程調整だけを在宅の1人に切り出すと、総務担当者は来客対応に専念でき、会議室や参加者の予定も早めに固まりやすくなります。必要なのは予定表とリマインドの操作で、扱う内容は社内の予定が中心のため機密度は低く、最初の1件として任せやすい業務です。

先ほどの場面にあるとおり、来客対応は総務担当者が担っている本来の仕事です。会議室の空きや参加者の予定を突き合わせる作業は、その来客対応とは別の動きにあたります。同じ人が両方を担っているあいだ、日程調整は来客対応に押し出され続けます。

応募が重なる時期の面談調整も、同じ構図です

全部署共通|応募が重なる時期の面談日程調整を、在宅の1人が引き取る

人事の担当者は、応募者からの返信を見ながら面接官の予定表と照らし合わせ、面接の日程をひとつずつ調整しています。応募が重なる時期は調整する件数が増え、書類選考の確認業務にまで手が回らなくなることがあります。調整が遅れると、応募者を待たせてしまい、他社の選考が先に進んでしまう心配も出てきます。担当者としても選考の判断そのものを優先したいところですが、予定を突き合わせる作業に時間を取られているのが実情です。日程調整という作業だけを在宅の1人に任せると、人事の担当者は書類選考の確認や合否の判断に集中でき、調整の遅れも起きにくくなります。必要なのは予定表とリマインドの操作で、扱う内容は面接の予定が中心のため機密度は低く、まず任せてみるのに向いています。

部署が違っても、構図は同じです。選考の判断という本来の仕事を担う人が日程を突き合わせる動きも兼ねているあいだ、応募が重なる時期ほど調整の遅れは大きくなっていきます。

切り出せるのは「期限を管理する」という1つの動きです

日程調整という作業を分解すると、必要なのは予定表とリマインドの操作というスキルです。扱う内容は社内の予定や面接の予定が中心のため、機密度は低に分類されています。選考や来客対応の判断は担当者の手元に残したまま、予定を突き合わせるという動きだけを在宅の1人に渡す形です。

訓練メニューには載っていません。それでも切り出せる理由

在宅の訓練をしている就労移行支援事業所7件の公開ページを確認したところ、予定表とリマインドの操作というスキルを教えるメニューは見当たりませんでした。載っていない、という意味であり、教えていないという意味ではありません。この作業は障害者向けを含む求人サイト7件(ハローワークインターネットサービスを含む)の職種カテゴリにも出てきません。高齢・障害・求職者雇用支援機構の調査研究報告書は、職務をつくる方法の1つとして、職場にある定型反復的な作業を探し出し、切り出して再構成する「切り出し・再構成モデル」を挙げています。日程調整は、この型に当てはまる作業です。

全部署共通にはこの後に任せられる作業も並んでいます

全部署共通という括りには、日程調整のほかにも、メール・フォームの受付と分類、データ入力、二つの資料の照合、Excel一覧の更新、数値の集計、定型メールの送信、マニュアルへの転記、Webからの情報収集、定例レポートの作成など、機密度が低く訓練メニューにも挙がっている作業が並んでいます。一方で、ファイル名の統一、フォルダへの保存、期限前のリマインド、議事録・文字起こし、書類のPDF化・データ化は、今回確認した7事業所の訓練メニューには載っていませんでした(載っていない、という意味であり、教えていないという意味ではありません)。なお、「期限を管理する」という同じ動きの作業は、部署をまたいで19あり、SNS投稿の予約、会議室の予約、支払予定一覧の更新なども同じ動きに数えられます。

次にできること

このサイトの計算表(/keisan.html)では、任せたい作業に印を付け、1回あたりの分数と回数を自社の数字で入れると、1週間の合計時間が出ます。障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口という、全国の採用担当者を対象にした厚生労働省の委託事業もあります。業務の選定から定着までの相談が最大5回、オーダーメイドの形で無料で受けられ、申し込みはフォームか電話、相談は対面(訪問)かオンラインで行われています。

日程調整のデータ

部署全部署共通
動き期限を管理する
機密度低
要るスキル予定表とリマインドの操作
訓練にあるか⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い
つながった訓練メニュー—
在宅の札出社の条件なし
在宅の条件—
在宅からつなぐ物会議室の予約
見る範囲—
求人サイトでの出現7サイトの職種カテゴリに無い(求人サイトは職種の粒で、作業の粒では分類していない)

同じ全部署共通にある、ほかの作業

作業動き機密度訓練にあるか
メール・フォームの受付と分類受け取る低⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 2事業所)
データ入力入力する低⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
二つの資料の照合照合する低⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
入力漏れ・誤字脱字の確認入力する・照合する低⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
Excel一覧の更新整える低⭕スキルが訓練に有る=2/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
数値の集計集計する低⭕スキルが訓練に有る=2/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
ファイル名の統一整える低⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い
フォルダへの保存整える低⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い
定型メールの送信連絡する低⭕スキルが訓練に有る=1/7事業所(うち在宅可と明記 0事業所)
期限前のリマインド期限を管理する低⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い
議事録・文字起こし記録する低⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い
書類のPDF化・データ化入力する低⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い
マニュアルへの転記入力する低⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
Webからの情報収集調べる低⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
定例レポートの作成集計する低⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)

全部署共通の作業をすべて見る

日程調整に印を付けて、週の合計時間を数える

公的な相談先

このサイトは一覧を並べるだけで、制度の可否は判断しません。実際に進めるときは、下の公的な窓口で確認してください。

窓口対象できること申込の形
障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口(企業向け・厚生労働省の委託事業)
twp.mhlw.go.jp
全国の採用担当者業務の選定から定着までの相談。最大5回のオーダーメイド支援。無料申込フォームまたは電話。相談は対面(相談員が訪問)かオンライン
地域障害者職業センター(高齢・障害・求職者雇用支援機構)
jeed.go.jp/location/chiiki/
事業主障害者の雇用管理に関する相談・援助。大阪障害者職業センターは「サポートはすべて無料」と明記最寄りのセンターに問い合わせ
ハローワーク事業主職務内容の検討の助言。高齢・障害・求職者雇用支援機構の手引き「職務内容の選定」が相談先に挙げている窓口で相談
高齢・障害・求職者雇用支援機構の障害者職業総合センターは、職務をつくる方法を3つのモデルで整理しています(調査研究報告書No.133・2017年3月)=切り出し・再構成モデル(職場にある定型反復的な作業を探し出し、切り出して再構成する)、積み上げモデル(限定的な職務から始めて、時間をかけて幅を広げる)、特化モデル(得意な分野に専念できるようにする)。このサイトの一覧は1つめのモデルの材料です。

出典と調べた日

求人サイト7件と就労移行支援事業所7件の公開ページ(2026-09-19に確認・名前とURLはこのサイトについて)/職務をつくる3つのモデル=障害者職業総合センター調査研究報告書No.133(2026-09-21に確認)/相談先=各窓口の公開ページ(2026-09-21に確認)。

「—」や「訓練に無い」は、調べた公開ページに書かれていなかったという意味で、教えていない・その作業が無いという意味ではありません。

困りごとの原文=高齢・障害・求職者雇用支援機構「はじめての障害者雇用~事業主のためのQ&A~」(公開ページ)(2026-09-21に確認)。