障害者雇用の業務切り出し

人事担当者のための 議事録・文字起こしの切り出し|全部署共通から在宅の1人へ

このページは、全部署共通の「議事録・文字起こし」を在宅の1人に任せられないかを考えている人事担当者のためのページです。

専門知識が要ると決める前に、記録という動きを見てみないか

障害者雇用の枠はあるのに、応募が来ない、任せる仕事が見当たらない、在宅という働き方も検討したことがない。そんな状態のまま、枠だけが残っていないでしょうか。似た戸惑いは、他の担当者の声としても記録されています。

「専門的な知識が必要な仕事が多いが大丈夫だろうか」
(高齢・障害・求職者雇用支援機構「はじめての障害者雇用~事業主のためのQ&A~」の公開ページより)

専門知識が要る判断と、聞いた話をまとめる記録は別の動きです。総務や人事にある「記録する」という作業も、切り出せる仕事の1つです。

定例会議の議事録、まとめる時間は確保できていますか

下の場面は、よくある形をまとめたたとえです。特定の会社の話ではありません。

全部署共通|定例会議の議事録作成を、在宅の1人が引き取る

総務の担当者は、毎回の定例会議に出席して内容をメモし、終わったあとに議事録としてまとめる作業を他の手続き業務の合間に行っています。手続きが立て込む時期は議事録の作成が後回しになり、内容を覚えているうちにまとめられず記憶があいまいになってしまうこともあります。議事録の共有が遅れると、決まったはずの内容を参加者が思い出せず、確認のやり取りが増えてしまいます。担当者としても手続きの判断業務を優先したいところですが、まとめの作業にも一定の時間を取られています。議事録の作成だけを在宅の1人に切り出すと、総務担当者は本来の手続き業務に集中でき、議事録の共有も早くなります。必要なのは聞いた話を文章にする力で、扱う内容は社内会議の記録が中心のため機密度は低く、最初の1件として任せやすい業務です。

先ほどの場面にあるとおり、手続きの判断は総務担当者が担っている本来の仕事です。会議の内容を議事録にまとめる作業は、その判断業務とは別の動きにあたります。同じ人が両方を担っているあいだ、まとめる作業は判断業務に押し出され続けます。

面談が重なる日の記録作成も、同じ構図です

全部署共通|面談の内容を記録する文字起こしを、在宅の1人が引き取る

人事の担当者は、社員との面談を終えたあと、話した内容を記憶が新しいうちに文章としてまとめていますが、複数の面談が同じ日に重なると、まとめる作業が後ろにずれ込んでしまいます。まとめが遅れると、細かいやり取りを思い出せず、記録の精度が落ちてしまうこともあります。担当者としては面談そのものへの対応を優先せざるを得ず、記録の作成は面談後の空き時間に頼るしかないのが実情です。面談が重なる日ほど、まとめる作業そのものが後回しにされていきます。記録の作成という作業だけを在宅の1人に任せると、人事の担当者は面談への対応に専念でき、記録もためずに整理されるようになります。必要なのは聞いた話を文章にする力で、扱う内容は面談の要点が中心のため機密度は低く、まず任せてみるのに向いています。

部署が違っても、構図は同じです。面談という本来の仕事を担う人が記録の作成も兼ねているあいだ、面談が重なる日ほどまとめる作業は後回しにされていきます。

切り出せるのは「記録する」という1つの動きです

議事録・文字起こしという作業を分解すると、必要なのは聞いた話を文章にする力です。扱う内容は社内会議や面談の要点が中心のため、機密度は低に分類されています。手続きや面談そのものの判断は担当者の手元に残したまま、記録にまとめるという動きだけを在宅の1人に渡せます。この作業は「条件つきで在宅」の札で、会議へオンラインで参加できることが条件です。

訓練メニューには載っていません。それでも切り出せる理由

在宅の訓練をしている就労移行支援事業所7件の公開ページを確認したところ、聞いた話を文章にするというスキルを教えるメニューは見当たりませんでした。載っていない、という意味であり、教えていないという意味ではありません。この作業は障害者向けを含む求人サイト7件(ハローワークインターネットサービスを含む)の職種カテゴリにも出てきません。高齢・障害・求職者雇用支援機構の調査研究報告書は、職務をつくる方法の1つとして、職場にある定型反復的な作業を探し出し、切り出して再構成する「切り出し・再構成モデル」を挙げています。議事録・文字起こしは、この型に当てはまる作業です。

全部署共通にはこの後に任せられる作業も並んでいます

全部署共通という括りには、議事録・文字起こしのほかにも、メール・フォームの受付と分類、データ入力、二つの資料の照合、Excel一覧の更新、数値の集計、定型メールの送信、マニュアルへの転記、Webからの情報収集、定例レポートの作成など、機密度が低く訓練メニューにも挙がっている作業が並んでいます。一方で、ファイル名の統一、フォルダへの保存、日程調整、期限前のリマインド、書類のPDF化・データ化は、今回確認した7事業所の訓練メニューには載っていませんでした(載っていない、という意味であり、教えていないという意味ではありません)。なお、「記録する」という同じ動きの作業は、部署をまたいで26あり、PC・備品台帳、入退社情報、対応履歴の入力なども同じ動きに数えられます。

次にできること

このサイトの計算表(/keisan.html)では、任せたい作業に印を付け、1回あたりの分数と回数を自社の数字で入れると、1週間の合計時間が出ます。障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口という、全国の採用担当者を対象にした厚生労働省の委託事業もあります。業務の選定から定着までの相談が最大5回、オーダーメイドの形で無料で受けられ、申し込みはフォームか電話、相談は対面(訪問)かオンラインで行われています。

議事録・文字起こしのデータ

部署全部署共通
動き記録する
機密度低
要るスキル聞いた話を文章にする
訓練にあるか⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い
つながった訓練メニュー—
在宅の札条件つきで在宅
在宅の条件会議へのオンライン参加
在宅からつなぐ物表計算・メールなど一般的な道具
見る範囲—
求人サイトでの出現7サイトの職種カテゴリに無い(求人サイトは職種の粒で、作業の粒では分類していない)

同じ全部署共通にある、ほかの作業

作業動き機密度訓練にあるか
メール・フォームの受付と分類受け取る低⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 2事業所)
データ入力入力する低⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
二つの資料の照合照合する低⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
入力漏れ・誤字脱字の確認入力する・照合する低⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
Excel一覧の更新整える低⭕スキルが訓練に有る=2/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
数値の集計集計する低⭕スキルが訓練に有る=2/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
ファイル名の統一整える低⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い
フォルダへの保存整える低⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い
定型メールの送信連絡する低⭕スキルが訓練に有る=1/7事業所(うち在宅可と明記 0事業所)
日程調整期限を管理する低⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い
期限前のリマインド期限を管理する低⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い
書類のPDF化・データ化入力する低⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い
マニュアルへの転記入力する低⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
Webからの情報収集調べる低⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
定例レポートの作成集計する低⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)

全部署共通の作業をすべて見る

議事録・文字起こしに印を付けて、週の合計時間を数える

公的な相談先

このサイトは一覧を並べるだけで、制度の可否は判断しません。実際に進めるときは、下の公的な窓口で確認してください。

窓口対象できること申込の形
障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口(企業向け・厚生労働省の委託事業)
twp.mhlw.go.jp
全国の採用担当者業務の選定から定着までの相談。最大5回のオーダーメイド支援。無料申込フォームまたは電話。相談は対面(相談員が訪問)かオンライン
地域障害者職業センター(高齢・障害・求職者雇用支援機構)
jeed.go.jp/location/chiiki/
事業主障害者の雇用管理に関する相談・援助。大阪障害者職業センターは「サポートはすべて無料」と明記最寄りのセンターに問い合わせ
ハローワーク事業主職務内容の検討の助言。高齢・障害・求職者雇用支援機構の手引き「職務内容の選定」が相談先に挙げている窓口で相談
高齢・障害・求職者雇用支援機構の障害者職業総合センターは、職務をつくる方法を3つのモデルで整理しています(調査研究報告書No.133・2017年3月)=切り出し・再構成モデル(職場にある定型反復的な作業を探し出し、切り出して再構成する)、積み上げモデル(限定的な職務から始めて、時間をかけて幅を広げる)、特化モデル(得意な分野に専念できるようにする)。このサイトの一覧は1つめのモデルの材料です。

出典と調べた日

求人サイト7件と就労移行支援事業所7件の公開ページ(2026-09-19に確認・名前とURLはこのサイトについて)/職務をつくる3つのモデル=障害者職業総合センター調査研究報告書No.133(2026-09-21に確認)/相談先=各窓口の公開ページ(2026-09-21に確認)。

「—」や「訓練に無い」は、調べた公開ページに書かれていなかったという意味で、教えていない・その作業が無いという意味ではありません。

困りごとの原文=高齢・障害・求職者雇用支援機構「はじめての障害者雇用~事業主のためのQ&A~」(公開ページ)(2026-09-21に確認)。