障害者雇用の業務切り出し

人事担当者のための 面接記録の入力の切り出し|採用事務から在宅の1人へ

このページは、採用事務の「面接記録の入力」を在宅の1人に任せられないかを考えている人事担当者のためのページです。

専門知識が必要な仕事が多いと、決めつけていないか

障害者雇用の枠はあるのに、応募が来ない、任せる仕事が見当たらない、在宅という働き方も検討したことがない。そんな状態のまま、枠だけが残っていないでしょうか。公的なQ&Aには、こんな言葉が並んでいます。

「障害者が従事する職務内容は、どのようにして選定したらよいでしょうか?」
(高齢・障害・求職者雇用支援機構「はじめての障害者雇用~事業主のためのQ&A~」の公開ページより)

職務の選定は、専門知識が要る部分だけで考えなくてもかまいません。採用事務にある「記録する」という作業も、切り出せる仕事の1つです。

選考が重なる時期の面接記録、入力は追いついていますか

下の場面は、よくある形をまとめたたとえです。特定の会社の話ではありません。

採用事務|選考が重なる時期の面接記録の入力を、在宅の1人が引き取る

採用事務の担当者は、面接官が聞き取った応募者の受け答えや評価を面接記録として入力していく作業を、応募者対応や選考の判断といった判断業務の合間に行っています。選考が重なる時期は入力する件数が増え、判断業務に追われて面接記録の入力が後回しになることがあります。入力が遅れると、次の選考に必要な内容を面接官が記憶を頼りに確認することになり、行き違いも起きやすくなります。担当者としても応募者対応や選考の判断を優先したいところですが、面接記録の入力にも一定の時間を取られています。面接記録の入力だけを在宅の1人に切り出すと、採用事務の担当者は応募者対応や選考の判断に集中でき、記録も抜けなく残ります。必要なのは文字入力・データ入力の力と聞いた話を文章にする力で、扱う内容には面接で聞き取った応募者の個人情報や評価が含まれるため、判断と承認は社内の担当者に残し、入力だけを在宅の1人に切り出す形です。

先ほどの場面にあるとおり、応募者対応や選考の判断は採用事務の担当者が担っている本来の仕事です。面接官の受け答えや評価を記録として入力する作業は、その判断業務とは別の動きにあたります。同じ人が両方を担っているあいだ、面接記録の入力は判断業務に押し出され続けます。

複数の面接官分の記録も、同じ構図です

採用事務|複数の面接官分の面接記録の入力を、在宅の1人が引き取る

複数の面接官が担当する面接記録を入力している採用事務の担当者は、面接官ごとに記録の粒度が違う中で対応しており、面接官の数が多い分だけ入力する件数も増えていきます。応募者対応や選考の判断と重なると入力が後回しになり、面接官によって記録の詳しさがそろわないまま残ってしまうこともあります。詳しさがそろわないと、あとから評価を確認したい時に必要な情報が足りず、面接官に聞き直す手間が生じます。面接官が増えるほど、面接記録の入力という作業が重くなっていきます。面接記録の入力をまとめて在宅の1人に任せると、採用事務の担当者は応募者対応や選考の判断に専念でき、記録も面接官をまたいで整った詳しさでそろいます。必要なのは文字入力・データ入力の力と聞いた話を文章にする力で、扱う内容には面接で聞き取った応募者の個人情報が含まれるため、判断と承認は社内の担当者に残し、入力だけを在宅にまとめて切り出す形です。

面接官の数が違っても、構図は同じです。応募者対応や選考の判断という本来の仕事を担う人が記録の入力も兼ねているあいだ、面接官が増えるほど記録の詳しさはそろいにくくなります。

切り出せるのは「入力する」と「記録する」の2つの動きです

面接記録の入力という作業を分解すると、必要なのは文字入力・データ入力の力と、聞いた話を文章にする力です。扱う内容には面接で聞き取った応募者の個人情報や評価が含まれるため、機密度は中に分類されています。選考や合否の判断と承認は社内の担当者に残したまま、入力し記録するという動きだけを在宅の1人に切り出す形です。見る範囲は個人情報などにあたるため、最初の1件というよりは、社内の確認体制を整えたうえで任せる形に向いています。在宅からは、表計算やメールといった一般的な道具を使ってこの作業に関わる形になります。

文字入力・データ入力を教えている訓練は、すでにあります

在宅の訓練をしている就労移行支援事業所7件の公開ページを確認したところ、文字入力・データ入力のスキルを教えるメニューは3事業所にあり、うち1事業所は在宅で受けられると明記されていました。メニュー名には、タイピング甲子園、パソコン入力作業訓練、個別学習(タイピング)、実務トレーニング(データ入力など)といった名前が並んでいます。教えているのは文字入力・データ入力というスキルであり、面接記録の入力そのものを教えているわけではありません。採用事務という部署名は、障害者向けを含む求人サイト7件(ハローワークインターネットサービスを含む)のうち1件の職種カテゴリと一致します。ただし「面接記録の入力」という作業名まで一致しているわけではありません。高齢・障害・求職者雇用支援機構の調査研究報告書は、職務をつくる方法の1つとして、職場にある定型反復的な作業を探し出し、切り出して再構成する「切り出し・再構成モデル」を挙げています。面接記録の入力は、この型に当てはまる作業です。

採用事務にはこの後に任せられる作業も並んでいます

採用事務という部署には、面接記録の入力のほかにも、案内メールの作成送信、求人媒体への入力、選考状況一覧の更新など、機密度が低く訓練メニューにも挙がっている作業が並んでいます。応募者情報の登録や内定者への定型連絡は面接記録の入力と同じく機密度が中でも訓練メニューにはあり、履歴書のファイル整理や面接日程の候補作成は機密度が中でかつ今回確認した7事業所の訓練メニューには載っていませんでした(載っていない、という意味であり、教えていないという意味ではありません)。入社書類の準備は機密度が低い一方、要るスキルが会社によって違うため、今回は訓練の有無を判定していません。なお、「入力する」という同じ動きの作業は、部署をまたいで69あり、CMS入稿、PC・備品台帳、Web・ブログの記事登録なども同じ動きに数えられます。

次にできること

このサイトの計算表(/keisan.html)では、任せたい作業に印を付け、1回あたりの分数と回数を自社の数字で入れると、1週間の合計時間が出ます。障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口という、全国の採用担当者を対象にした厚生労働省の委託事業もあります。業務の選定から定着までの相談が最大5回、オーダーメイドの形で無料で受けられ、申し込みはフォームか電話、相談は対面(訪問)かオンラインで行われています。

面接記録の入力のデータ

部署採用事務
動き入力する・記録する
機密度
要るスキル文字入力・データ入力/聞いた話を文章にする
訓練にあるか⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
つながった訓練メニュー文字入力・データ入力←タイピング甲子園/文字入力・データ入力←パソコン入力作業訓練/文字入力・データ入力←個別学習(タイピング)/文字入力・データ入力←実務トレーニング(データ入力など)
在宅の札在宅作業可能
在宅の条件
在宅からつなぐ物表計算・メールなど一般的な道具
見る範囲個人情報など(機密度 中)
求人サイトでの出現部署名が1/7サイトの職種カテゴリに一致(作業名は一致なし)

同じ採用事務にある、ほかの作業

作業動き機密度訓練にあるか
応募者情報の登録入力する⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
履歴書のファイル整理整える・記録する⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い
面接日程の候補作成期限を管理する⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い
案内メールの作成送信連絡する⭕スキルが訓練に有る=1/7事業所(うち在宅可と明記 0事業所)
求人媒体への入力入力する⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
選考状況一覧の更新整える⭕スキルが訓練に有る=2/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
入社書類の準備整える❓要るスキルがまだ決まっていない
内定者への定型連絡連絡する⭕スキルが訓練に有る=1/7事業所(うち在宅可と明記 0事業所)

採用事務の作業をすべて見る

面接記録の入力に印を付けて、週の合計時間を数える

公的な相談先

このサイトは一覧を並べるだけで、制度の可否は判断しません。実際に進めるときは、下の公的な窓口で確認してください。

窓口対象できること申込の形
障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口(企業向け・厚生労働省の委託事業)
twp.mhlw.go.jp
全国の採用担当者業務の選定から定着までの相談。最大5回のオーダーメイド支援。無料申込フォームまたは電話。相談は対面(相談員が訪問)かオンライン
地域障害者職業センター(高齢・障害・求職者雇用支援機構)
jeed.go.jp/location/chiiki/
事業主障害者の雇用管理に関する相談・援助。大阪障害者職業センターは「サポートはすべて無料」と明記最寄りのセンターに問い合わせ
ハローワーク事業主職務内容の検討の助言。高齢・障害・求職者雇用支援機構の手引き「職務内容の選定」が相談先に挙げている窓口で相談
高齢・障害・求職者雇用支援機構の障害者職業総合センターは、職務をつくる方法を3つのモデルで整理しています(調査研究報告書No.133・2017年3月)=切り出し・再構成モデル(職場にある定型反復的な作業を探し出し、切り出して再構成する)、積み上げモデル(限定的な職務から始めて、時間をかけて幅を広げる)、特化モデル(得意な分野に専念できるようにする)。このサイトの一覧は1つめのモデルの材料です。

出典と調べた日

求人サイト7件と就労移行支援事業所7件の公開ページ(2026-09-19に確認・名前とURLはこのサイトについて)/職務をつくる3つのモデル=障害者職業総合センター調査研究報告書No.133(2026-09-21に確認)/相談先=各窓口の公開ページ(2026-09-21に確認)。

「—」や「訓練に無い」は、調べた公開ページに書かれていなかったという意味で、教えていない・その作業が無いという意味ではありません。

困りごとの原文=高齢・障害・求職者雇用支援機構「はじめての障害者雇用~事業主のためのQ&A~」(公開ページ)(2026-09-21に確認)。