障害者雇用の業務切り出し

人事担当者のための 顧客・商品マスターの登録更新の切り出し|マスターデータ管理から在宅の1人へ

このページは、マスターデータ管理の「顧客・商品マスターの登録更新」を在宅の1人に任せられないかを考えている人事担当者のためのページです。

事例を知る前に、マスターの更新という作業を数えてみないか

障害者雇用の枠はあるのに、応募が来ない、任せる仕事が見当たらない、在宅という働き方も検討したことがない。そんな状態のまま、枠だけが残っていないでしょうか。公的なQ&Aには、こんな言葉が並んでいます。

「障害者雇用のイメージを高めるため、実際の障害者雇用事例などを知りたいのですが、どうすればよいですか?」
(高齢・障害・求職者雇用支援機構「はじめての障害者雇用~事業主のためのQ&A~」の公開ページより)

事例は他社だけにあるとは限りません。マスターデータ管理にある「入力する」「整える」という作業も、切り出せる仕事の1つです。

登録の依頼が重なる時期、マスターの更新は追いついていますか

下の場面は、よくある形をまとめたたとえです。特定の会社の話ではありません。

マスターデータ管理|登録の依頼が重なる時期の顧客・商品マスターの登録更新を、在宅の1人が引き取る

マスターデータ管理の担当者は、営業や店舗から届く顧客や商品の情報をマスターデータに登録・更新する作業を、精査や例外データの判断といった判断業務の合間に行っています。登録の依頼が重なる時期は登録する件数が増え、判断業務に追われて登録更新が後回しになることがあります。更新が遅れると、マスターの情報が実態より古いままになり、他部署が参照する時に食い違いが生じてしまうことがあります。担当者としても精査や例外データの判断を優先したいところですが、登録更新にも一定の時間を取られています。登録更新だけを在宅の1人に切り出すと、マスターデータ管理の担当者は精査や例外データの判断に集中でき、更新の遅れも起きにくくなります。必要なのは文字入力・データ入力と台帳・管理表の更新の力で、扱う内容には顧客の氏名や連絡先といった個人情報が含まれるため、判断と承認は社内の担当者に残し、入力だけを在宅に切り出す形です。

先ほどの場面にあるとおり、精査や例外データの判断はマスターデータ管理の担当者が担っている本来の仕事です。顧客や商品の情報を登録・更新する作業は、その判断業務とは別の動きにあたります。同じ人が両方を担っているあいだ、登録更新は判断業務に押し出され続けます。

複数部署分の登録更新も、同じ構図です

マスターデータ管理|複数部署分の顧客・商品マスターの登録更新を、在宅の1人が引き取る

複数の部署から顧客・商品情報の登録依頼が届くマスターデータ管理の担当者は、部署ごとに提出される情報の形式が違う中で対応しており、部署の数が多い分だけ登録する件数も増えていきます。精査や例外データの判断と重なると更新が後回しになり、部署によって登録の反映がそろわないまま進めてしまうこともあります。反映がそろわないと、部署によって最新の情報が反映されず、二重に問い合わせが来ることもあります。部署が増えるほど、マスターの登録更新という作業が重くなっていきます。登録更新をまとめて在宅の1人に任せると、マスターデータ管理の担当者は精査や例外データの判断に専念でき、登録も部署をまたいで整った状態でそろいます。必要なのは文字入力・データ入力と台帳・管理表の更新の力で、扱う内容には顧客の氏名や連絡先といった個人情報が含まれるため、判断と承認は社内の担当者に残し、入力だけを在宅にまとめて切り出す形です。

部署が違っても、構図は同じです。精査や例外データの判断という本来の仕事を担う人が登録更新も兼ねているあいだ、部署が増えるほど反映のそろわない状態が起きやすくなります。

切り出せるのは「入力する」と「整える」の2つの動きです

顧客・商品マスターの登録更新という作業を分解すると、必要なのは文字入力・データ入力と台帳・管理表の更新の力です。扱う内容には個人情報が含まれるため、機密度は中に分類されています。精査や例外データの判断と承認はマスターデータ管理の担当者に残したまま、登録・更新するという動きだけを在宅の1人に切り出す形です。

文字入力・データ入力と台帳・管理表の更新を教えている訓練は、すでにあります

在宅の訓練をしている就労移行支援事業所7件の公開ページを確認したところ、文字入力・データ入力と台帳・管理表の更新を教えるメニューは3事業所にあり、うち1事業所は在宅で受けられると明記されていました。メニュー名には、模擬就労(顧客データ管理、資料作成等の模擬業務グループワーク)、顧客データ管理(模擬業務)、タイピング甲子園、パソコン入力作業訓練といった名前が並んでいます。教えているのは入力と管理表更新のスキルであり、顧客・商品マスターの登録更新そのものを教えているわけではありません。この作業は障害者向けを含む求人サイト7件(ハローワークインターネットサービスを含む)の職種カテゴリにも出てきません。求人サイトは職種という大きな粒で分類しているため、「顧客・商品マスターの登録更新」のような1つの作業の粒までは分類されていないのです。高齢・障害・求職者雇用支援機構の調査研究報告書は、職務をつくる方法の1つとして、職場にある定型反復的な作業を探し出し、切り出して再構成する「切り出し・再構成モデル」を挙げています。顧客・商品マスターの登録更新は、この型に当てはまる作業です。

マスターデータ管理にはこの後に任せられる作業も並んでいます

マスターデータ管理には、顧客・商品マスターの登録更新のほかにも、表記ゆれ修正、定期レポート用データの準備など、訓練メニューにも挙がっている作業が並んでいます。顧客・商品マスターの登録更新のほか、住所・電話の確認も個人情報を扱うため機密度は中です。取引先の名寄せ、重複確認、データ突合は、見比べて違いを見つける力が要る一方、今回確認した7事業所の訓練メニューには載っていませんでした(載っていない、という意味であり、教えていないという意味ではありません)。古い情報の抽出とCSV整形は、要るスキルが会社によって違うため、今回は訓練の有無を判定していません。作業によって機密度と訓練の有無は違い、同じように切り出せるとは限りません。なお、「入力する」「整える」という同じ動きの作業は、部署をまたいで107あり、CMS入稿、Excel一覧の更新、FAQの更新なども同じ動きに数えられます。

次にできること

このサイトの計算表(/keisan.html)では、任せたい作業に印を付け、1回あたりの分数と回数を自社の数字で入れると、1週間の合計時間が出ます。障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口という、全国の採用担当者を対象にした厚生労働省の委託事業もあります。業務の選定から定着までの相談が最大5回、オーダーメイドの形で無料で受けられ、申し込みはフォームか電話、相談は対面(訪問)かオンラインで行われています。

顧客・商品マスターの登録更新のデータ

部署マスターデータ管理
動き入力する・整える
機密度
要るスキル文字入力・データ入力/台帳・管理表の更新
訓練にあるか⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
つながった訓練メニュー台帳・管理表の更新←模擬就労(顧客データ管理、資料作成等の模擬業務グループワーク)/台帳・管理表の更新←顧客データ管理(模擬業務)/文字入力・データ入力←タイピング甲子園/文字入力・データ入力←パソコン入力作業訓練
在宅の札在宅作業可能
在宅の条件
在宅からつなぐ物マスターデータ
見る範囲個人情報など(機密度 中)
求人サイトでの出現7サイトの職種カテゴリに無い(求人サイトは職種の粒で、作業の粒では分類していない)

同じマスターデータ管理にある、ほかの作業

作業動き機密度訓練にあるか
取引先の名寄せ照合する⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い
重複確認照合する⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い
表記ゆれ修正整える⭕スキルが訓練に有る=2/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)
住所・電話の確認照合する⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 2事業所)
古い情報の抽出照合する❓要るスキルがまだ決まっていない
CSV整形整える❓要るスキルがまだ決まっていない
データ突合照合する⛔要るスキルが7事業所の訓練メニューに無い
定期レポート用データの準備集計する⭕スキルが訓練に有る=3/7事業所(うち在宅可と明記 1事業所)

マスターデータ管理の作業をすべて見る

顧客・商品マスターの登録更新に印を付けて、週の合計時間を数える

公的な相談先

このサイトは一覧を並べるだけで、制度の可否は判断しません。実際に進めるときは、下の公的な窓口で確認してください。

窓口対象できること申込の形
障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口(企業向け・厚生労働省の委託事業)
twp.mhlw.go.jp
全国の採用担当者業務の選定から定着までの相談。最大5回のオーダーメイド支援。無料申込フォームまたは電話。相談は対面(相談員が訪問)かオンライン
地域障害者職業センター(高齢・障害・求職者雇用支援機構)
jeed.go.jp/location/chiiki/
事業主障害者の雇用管理に関する相談・援助。大阪障害者職業センターは「サポートはすべて無料」と明記最寄りのセンターに問い合わせ
ハローワーク事業主職務内容の検討の助言。高齢・障害・求職者雇用支援機構の手引き「職務内容の選定」が相談先に挙げている窓口で相談
高齢・障害・求職者雇用支援機構の障害者職業総合センターは、職務をつくる方法を3つのモデルで整理しています(調査研究報告書No.133・2017年3月)=切り出し・再構成モデル(職場にある定型反復的な作業を探し出し、切り出して再構成する)、積み上げモデル(限定的な職務から始めて、時間をかけて幅を広げる)、特化モデル(得意な分野に専念できるようにする)。このサイトの一覧は1つめのモデルの材料です。

出典と調べた日

求人サイト7件と就労移行支援事業所7件の公開ページ(2026-09-19に確認・名前とURLはこのサイトについて)/職務をつくる3つのモデル=障害者職業総合センター調査研究報告書No.133(2026-09-21に確認)/相談先=各窓口の公開ページ(2026-09-21に確認)。

「—」や「訓練に無い」は、調べた公開ページに書かれていなかったという意味で、教えていない・その作業が無いという意味ではありません。

困りごとの原文=高齢・障害・求職者雇用支援機構「はじめての障害者雇用~事業主のためのQ&A~」(公開ページ)(2026-09-21に確認)。