人事担当者のための
受け入れる部署に言われる4つの言葉と、人事が返せる材料
「任せる仕事がない」の奥にあるもの
公的な相談窓口には、こんな声が寄せられています。
「障害のある人向けに切り出す仕事がない」
(厚生労働省の委託事業「障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口」の公開ページより)
仕事を探す人事の前には、もう1つの壁があります。受け入れる部署です。高齢・障害・求職者雇用支援機構の事例には、雇ったあとの様子がこう書かれています。
「配属後のフォローができずに現場任せになってしまっているという課題があった」
(高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害者雇用事例リファレンスサービス」より)
部署の側からは、どんな言葉が出てくるのでしょうか。Yahoo!知恵袋の質問と、障害者雇用事例リファレンスサービスから、4つを並べます。Yahoo!知恵袋の言葉はどれも1人の投稿です。会社の数を表す物ではありません。
言葉1「使えないから入れ替えてほしい」
障害者雇用で働く人の質問に、ほかの部署のマネージャーが部長に言った言葉として書かれていました。
「彼女(私のことです)は使えないから、自分の部署で新しく障害者雇用を雇うので入れ替えてほしい」
(Yahoo!知恵袋の質問より)
その人に任せる作業は、入る前に決まっていたのでしょうか。
返せる材料=任せる作業を先に決める。このサイトの作業ページには、1つの作業ごとに「切り出せる動き」「要るスキル」「機密度」を載せています。高齢・障害・求職者雇用支援機構の障害者職業総合センターは、職務をつくる方法の1つを「切り出し・再構成モデル」(職場にある定型反復的な作業を探し出し、切り出して再構成する)と整理しています。このサイトの224作業は、そのための材料です。
言葉2「私は障害者の担当者じゃない」
同じ職場の人に、障害者雇用の人への伝言やお願いを頼んだとき、こう返された話が2つありました。
「私は障害者の担当者じゃない」
(Yahoo!知恵袋の質問より(Yahoo!しごとカタログに掲載))
「私は担当者じゃないので、ご自身で伝えてください」
(Yahoo!知恵袋の質問より・管理職の人の質問)
部署の中で、誰が担当するかは決まっていたのでしょうか。事例の会社では、受け入れる前の準備をこう書いています。
「ハローワークや青森障害者職業センター、支援事業所等と連携しながら、従事業務の選定や配慮事項の周知などの受け入れ準備を進めている」
(高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害者雇用事例リファレンスサービス」より)
担当を置くことの重さについても、別の事例にこう書かれています。
「担当者を選任すれば人件費もかかるので経営にとっても負担である」
(高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害者雇用事例リファレンスサービス」より)
返せる材料=業務の選定から相談できる公的な窓口。障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口(企業向け・厚生労働省の委託事業)は、業務の選定から定着までを、最大5回、無料で相談できます。申込はフォームか電話で、相談は対面(相談員が訪問)かオンラインです。
言葉3「雇いたくないけど上が言うから」
「雇いたくないけど上が言うから受け入れなければならず」
(Yahoo!知恵袋の質問より(Yahoo!しごとカタログに掲載))
部署の側にも、自分たちの雑務の悩みがあります。
「営業なのですが事務を雇っていなくて事務処理、雑務がかなり多いことです」
(Yahoo!知恵袋の質問より)
部署の中で抱えている雑務の中に、在宅の1人に回せる作業はないでしょうか。
返せる材料=その部署がいま抱えている作業の一覧。たとえば営業事務の部署ページには、次の10作業が並んでいます=営業リストの更新/案件管理表の更新/見積書の作成/注文書の受付と分類/納品書の発行/顧客情報の入力/商談記録の入力/定型の案内メール送信/売上データの集計/契約更新期限の管理。(営業事務の部署ページ)
言葉4「何からどのように取組めばよいのかが分からず」
事例の会社の製造現場のマネージャーは、障害者雇用を始める前をこう振り返っています。
「何からどのように取組めばよいのかが分からず、不安の方が強かった」
(高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害者雇用事例リファレンスサービス」より)
受け入れる部署の側から出た言葉です。部署の人と一緒に、どの作業なら切り出せるかを数えたことはあったでしょうか。
返せる材料=部署と一緒に作業を選び、週の時間を足す。このサイトの計算表は、作業を選び、1回の分数と回数を入れると、週の合計が出ます。分数と回数は会社によって違うため、自社の実際の数を入れる形です。
この1枚で渡せる物
| 部署の言葉 | 返せる材料 | このサイトの場所 |
|---|---|---|
| 使えないから入れ替えてほしい | 任せる作業を先に決める(動き・スキル・機密度) | 作業ページ(224作業) |
| 私は障害者の担当者じゃない | 業務の選定から相談できる公的な窓口 | 下の公的な相談先 |
| 雇いたくないけど上が言うから | その部署がいま抱えている作業の一覧 | 部署ページ(25部署) |
| 何からどのように取組めばよいのかが分からず | 部署と一緒に選んだ作業の週の合計 | 計算表 |
公的な相談先
このサイトは一覧を並べるだけで、制度の可否は判断しません。実際に進めるときは、下の公的な窓口で確認してください。
| 窓口 | 対象 | できること | 申込の形 |
|---|---|---|---|
| 障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口(企業向け・厚生労働省の委託事業) twp.mhlw.go.jp |
全国の採用担当者 | 業務の選定から定着までの相談。最大5回のオーダーメイド支援。無料 | 申込フォームまたは電話。相談は対面(相談員が訪問)かオンライン |
| 地域障害者職業センター(高齢・障害・求職者雇用支援機構) jeed.go.jp/location/chiiki/ |
事業主 | 障害者の雇用管理に関する相談・援助。大阪障害者職業センターは「サポートはすべて無料」と明記 | 最寄りのセンターに問い合わせ |
| ハローワーク | 事業主 | 職務内容の検討の助言。高齢・障害・求職者雇用支援機構の手引き「職務内容の選定」が相談先に挙げている | 窓口で相談 |
出典と調べた日
Yahoo!知恵袋の質問=言葉1・言葉2の1つめ(Yahoo!しごとカタログ)・言葉2の2つめ・言葉3の見出し(Yahoo!しごとカタログ)・言葉3の2つめ(2026-09-22に確認)。
高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害者雇用事例リファレンスサービス」=配属後のフォローの事例・受け入れ準備の事例(2026-09-21に確認)/人件費の負担の事例・製造現場のマネージャーの事例(2026-09-22に確認)。
「任せる仕事がない」=障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口の公開ページ(2026-09-21に確認)。職務をつくる3つのモデル=障害者職業総合センター調査研究報告書No.133(2026-09-21に確認)。