障害者雇用の業務切り出し

人事担当者のための

専門的な知識が必要な仕事が多い会社で、作業に要るスキルを数える。224作業のうち決まっている184作業と、決めていない40作業

企業からは「どのような仕事をしてもらったらいいかわからない」、「専門的な知識が必要な仕事が多いが大丈夫だろうか」という声が多く聞かれます。

これは、高齢・障害・求職者雇用支援機構(以下、機構)の「はじめての障害者雇用~事業主のためのQ&A~」が、職務内容の選び方の答えの中で書いている文です(2026年11月5日に確認)。機構が「多く聞かれます」と書くほど、よく出る不安だということです。

このページは、その不安を言葉で打ち消さずに、数えて見るためのページです。当サイトに並べた224の作業を、作業に要るスキルの欄で数えました。欄を埋められた作業と、埋められなかった作業の両方を出します。数が見せるのは、当サイトが欄を埋めた結果までです。自社の仕事に当てはまるかどうかは、このページからは言えません。

1、機構は、どう答えているか

同じ答えの中で、機構は次のように書いています。

「障害特性により対応できない職務内容はありますが、障害者それぞれには、専門知識・技能等を持ちそれを活かせる、専門知識等はなくても特定の分野であれば力を発揮できるなど、働くことにおいてはさまざまな可能性があり、」

このあとの文には、採用を予定する職務内容は、障害の種類や程度を限定することを前提に考えるのではなく、「専門知識等が必要ではない職務も含めて、」持っている力を活かす形で考える、という趣旨が書かれています。

最初の「障害特性により対応できない職務内容はあります」という部分も、機構の原文のままです。どの障害のある人に、どの職務が対応できないのかは、当サイトには判定できません。当サイトはそこを判定しません。機構は職務内容の決め方として、次のようにも書いています。

「障害者が従事する職務内容は、具体的には採用が決定した障害者の障害特性や本人の希望などを踏まえて確定することになります。」

職務内容を最後に決めるのは、採用が決まった人の特性や希望を踏まえた段階です。それより前の段階で、社内の職務内容を確かめる作業があります。機構は、その確かめ方も書いています。

「社内にある職務内容やそれらの職務に求められるスキルなどについて詳細に確認し、職務内容を創出していくとよいでしょう。」

このページが数えているのは、この「求められるスキル」の部分です。

2、数える

当サイトの224作業のうち、要るスキルの欄を当サイトが決めた作業は184作業です。決めていない作業は40作業あります。

184作業のスキルは13種類です。1つの作業に2つのスキルがある場合は、両方に数えています。13種類の名前と件数は、トップの「必要なスキルからさがす」に並べました。ここでは繰り返しません。

決めていない40作業は、隠さずに数えます。

作業ページには、この欄に「会社によって中身が違うため、このサイトでは1つに決めていません」と表示しています。難しいから決めていない、という意味ではありません。同じ名前の作業でも、会社によって中身が違うので、1つに決められなかった、ということです。

184作業についても、言えることは限られます。184作業は「専門知識が要らない作業」ではありません。要るスキルの欄を、当サイトが作業の説明から決めた作業です。誰かがその作業をできると確かめた数ではありません。

3、1つの仕事の中の、判断と作業

当サイトの作業ページは、1つの仕事の中身を、判断の部分と作業の部分に分けて見る書き方で説明を書いています。専門知識が要る仕事に見えても、この分け方で見られるかどうかは、自社で確かめるしかありません。

当サイトが書いた作業の場面の文のうち、判断の語が出る作業が181作業あります。これは当サイトが書いた説明の数で、実在の会社の数ではありません。

たとえば「請求書データの入力」のページは、次のように書いています。

「支払いや資金繰りの判断は担当者の手元に残したまま、入力するという動きだけを在宅の1人に渡す形です。」

これも当サイトが書いた説明で、実在の会社の話ではありません。判断の部分は社内に残し、作業の部分だけを見る、という書き方の見本として挙げました。実際の会社で、その仕事がこのように分かれるかどうかは、自社で確かめるしかありません。

4、例1:経理補助

部署の名前から専門の仕事が思い浮かぶ例として、当サイトが選んだ部署が2つあります。経理補助と、文書・契約管理です。どちらも10作業のうち、決めていない作業が2つあります。

経理補助の10作業は、決まっているのが8作業、決めていないのが2作業です。機密度は、低が8作業、中が1作業、高が1作業です。

作業の名前動き要るスキル機密度在宅の札作業ページ
請求書データの入力入力する文字入力・データ入力低出社の条件なし開く
経費データの入力入力する文字入力・データ入力低出社の条件なし開く
領収書のPDF化入力するファイルの整理と保存低出社が要る開く
仕訳の補助入力入力する文字入力・データ入力低出社の条件なし開く
支払予定一覧の更新整える・期限を管理する表計算(Excel)の基本操作低出社の条件なし開く
請求書の発行と送付入力するこのサイトでは決めていない低出社の条件なし開く
取引先マスターの更新整える台帳・管理表の更新中出社の条件なし開く
経費精算の不備チェック照合する見比べて違いを見つける低出社の条件なし開く
月次資料の体裁を整える整える資料の体裁を整える低出社の条件なし開く
入金消込照合するこのサイトでは決めていない高出社の条件なし開く

決めていない2作業のうち、「入金消込」は機密度が高です。「請求書の発行と送付」は低です。同じ「決めていない」でも、機密度は同じではありません。

5、例2:文書・契約管理

文書・契約管理の10作業は、決まっているのが8作業、決めていないのが2作業です。機密度は、10作業とも中です。

作業の名前動き要るスキル機密度在宅の札作業ページ
契約書の台帳更新整える・記録する台帳・管理表の更新中出社の条件なし開く
押印申請の受付と記録受け取る・記録する聞いた話を文章にする/電話・チャットの一次対応中出社の条件なし開く
更新期限の管理整える・期限を管理する予定表とリマインドの操作中出社の条件なし開く
契約書のPDF化と保存整えるファイルの整理と保存中出社が要る開く
版数の管理整えるこのサイトでは決めていない中出社の条件なし開く
ファイル名の統一整えるファイルの整理と保存中出社の条件なし開く
保管場所の一覧更新整える表計算(Excel)の基本操作中出社の条件なし開く
契約書の記載事項の照合照合する見比べて違いを見つける中出社の条件なし開く
締結状況の一覧化集計する表計算(Excel)の基本操作中出社の条件なし開く
文書の廃棄予定の管理整える・期限を管理するこのサイトでは決めていない中出社の条件なし開く

経理補助と並べると、違いが2つ見えます。経理補助は機密度が低から高まで散らばっていて、文書・契約管理は全部が中です。また、どちらの表にも、在宅の札が「出社が要る」作業が1つずつあります(領収書のPDF化、契約書のPDF化と保存)。札の読み方は、テレワークと出社の併用は、作業ごとに分けて見るに書きました。

6、業種固有の4作業

業種によって作業の中身が違う例として、業種固有の定型入力の4作業を並べます。不動産が2作業、士業が1作業、医療・介護が1作業です。機密度は、低が2作業、中が1作業、高が1作業です。

作業の名前動き要るスキル機密度在宅の札作業ページ
物件登録(不動産)入力する文字入力・データ入力低出社の条件なし開く
間取図の登録(不動産)入力する文字入力・データ入力低出社の条件なし開く
申請書の下書き(士業)入力するこのサイトでは決めていない中出社の条件なし開く
記録の転記(医療・介護)入力する文字入力・データ入力/聞いた話を文章にする高出社の条件なし開く

4作業だけでは、不動産・士業・医療介護のそれぞれの業界全体について言うことはできません。ここに挙げたのは、業種が違うと作業ページの中身が変わる、という例までです。

7、数から分からないこと

ここまでの数と表から、分からないことがあります。短く済ませずに書きます。

1、自社の仕事に当てはまるか。表の作業は、当サイトが一般的な形として説明を書いたものです。自社の同じ名前の仕事が、同じ中身とは限りません。

2、その人ができるか。要るスキルの欄は、作業の説明から当サイトが付けたものです。実際に採用が決まった人が、そのスキルを持っているか、身につけられるかは、この数からは分かりません。

3、障害特性との関係。機構が書いているとおり、障害特性により対応できない職務内容はあります。当サイトは、どの特性にどの作業が合うかを判定しません。判定する材料も持っていません。

4、社内の情報管理。機密度は、当サイトが作業の説明から付けた分類です。自社の規程で、その情報を社外の人や在宅の人に見せてよいかは、自社で確かめてください。当サイトは、高い作業を外に出さない方がよいとも、出してよいとも言いません。分けて見せるだけです。

5、決めていない40作業の中身。会社によって中身が違うため、このページでは数以上のことは言えません。

Q&Aサイトには、人事の立場で、採用を頼まれたが受け入れに不安があり、判断の材料を求めている質問がありました。このページが出せる材料は、数と表までです。

8、自社でやる手順

機構が書いた「社内にある職務内容やそれらの職務に求められるスキルなどについて詳細に確認」を、次の順で進めることができます。

1、自社の仕事から、1つ選びます。

2、その仕事を、判断の部分と作業の部分に分けて書き出します。判断の部分は社内に残す部分として、作業の部分だけを次に見ます。

3、トップの「部署からさがす」から部署のページを開き、近い名前の作業を探して開きます。

4、その作業ページで、要るスキルと機密度を見ます。「このサイトでは決めていない」と出た作業は、自社の中身で確かめます。

5、計算表に印を付けます。

書き出した作業が、表の作業と違っていても構いません。比べる材料として使ってください。

9、社内の共通認識と、公的な相談先

機構は、採用計画について「社内の状況を分析し、障害者雇用の目的を明確にした上で具体的に採用計画を検討し、社内の共通認識を得た上で進めることが必要です。」と書いています(2(1)障害者雇用の計画、2026年11月5日に確認)。書き出した仕事の一覧は、社内で話し合う材料になります。

職務内容の検討について、機構は次のように書いています。

「なお、職務内容の検討については、ハローワークや地域障害者職業センターなどの支援機関の助言を受けるとよいでしょう。」

厚生労働省の委託事業の無料相談窓口(企業向け)も、相談例に「障害のある人向けに切り出す仕事がない」を挙げています。よくある質問には次のように書かれています。

終了期限があります。使うかどうかを考える場合は、窓口のページで最新の案内を確かめてください。

10、次に見るページ

11、出典と調べた日

1、高齢・障害・求職者雇用支援機構「はじめての障害者雇用~事業主のためのQ&A~」2(3)職務内容の選定 https://www.jeed.go.jp/disability/data/handbook/q2k4vk000003kql6.html 2026年11月5日に確認

2、同 2(1)障害者雇用の計画(採用計画) https://www.jeed.go.jp/disability/data/handbook/q2k4vk000003koma.html 2026年11月5日に確認

3、厚生労働省の委託事業「障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口(企業向け)」 https://twp.mhlw.go.jp/ 2026年11月5日に確認

4、当サイトの224作業のスキル・件数・表の24行・作業ページの説明の例 2026年11月5日に確認