障害者雇用の業務切り出し

人事担当者のための

「任せる仕事がない」とき、社内の作業を部署ごと・動きごとに並べ直す

「切り出す仕事がない」「頼む仕事がない」

公的な相談窓口には、こんな声が寄せられています。

「障害のある人向けに切り出す仕事がない」
(厚生労働省の委託事業「障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口」の公開ページより)
「障害者雇用の最大の課題は「頼む仕事がない」」
(厚生労働省の委託事業「障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口」の公開ページより)

高齢・障害・求職者雇用支援機構の「はじめての障害者雇用」にも、同じ声が載っています。

「どのような仕事をしてもらったらいいかわからない」
(高齢・障害・求職者雇用支援機構「はじめての障害者雇用~事業主のためのQ&A~」より)

事例の会社も、同じ所から始めていた

「まずは、障害者にどのような仕事・勤務形態で働いてもらうかを検討した。」
(高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害者雇用事例リファレンスサービス」より)
「現状においては、チャレンジドの従事業務が限定的であり、新規業務の開拓が重要な課題の一つであると考えている。」
(高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害者雇用事例リファレンスサービス」より)

「障害者向けの仕事」を新しく作ろうとして、社内にすでにある定型の作業を見落としていないでしょうか。

公的な資料が示す、仕事のつくり方

職務内容の選び方について、「はじめての障害者雇用」の答えの見出しはこうです。

「社内にある職務内容やそれらの職務に求められるスキルなどについて詳細に確認し、職務内容を創出していくとよいでしょう。」
(高齢・障害・求職者雇用支援機構「はじめての障害者雇用~事業主のためのQ&A~」より)

公的資料では、複数の仕事の一部を切り出し、一人分の仕事として段階的に積み上げる方法が示されています(障害者職業総合センター「調査研究の成果」・2026-09-22に確認)。精神障害者は、週20時間以上30時間未満でも、当分の間、雇用率の上で1人と数えます(障害者の雇用の促進等に関する法律施行規則 附則・2026-09-22に確認)。1人として数える雇用を考える会社にとっては、週20時間以上を続けて任せられる業務量があるかが、実務上の確認点になります。

職務をつくる3つのモデル(切り出し・再構成、積み上げ、特化)は、下の公的な相談先の節に載せています。

このサイトで並べ直した224作業

部署ごと

部署作業出社の条件なし機密度が低い
全部署共通161216
採用事務994
労務・勤怠事務990
情報システム事務987
マーケティング・広報事務10109
Webサイト・EC運営事務101010
マスターデータ管理996
品質管理・コンプライアンス事務1097
プロジェクト・PMO補助10910
物流・在庫管理事務101010
研修・教育運営事務10109
調査・情報収集事務101010
経営管理・会議運営補助10109
人事・総務事務1079
経理補助1098
営業事務1098
データ入力・照合10810
購買・発注事務10910
文書・契約管理1090
顧客対応事務1080
秘書・調整サポート1099
補助金・助成金の申請事務333
安全衛生事務220
備品・施設・車両の台帳333
業種固有の定型入力442
この札は作業の説明の中身だけで決めています。社内の情報管理の決まり、システムへのつなぎ方、端末、見守り方によって、在宅にできるかどうかは会社ごとに変わります。

動きごと

部署をまたいで、同じ動きの作業を並べると次のとおりです。1つの作業に2つの動きがある物は、両方に数えています。

動き件数作業の例
整える65Excel一覧の更新・ファイル名の統一・フォルダへの保存・履歴書のファイル整理
入力する47データ入力・入力漏れ・誤字脱字の確認・書類のPDF化・データ化・マニュアルへの転記
照合する29二つの資料の照合・入力漏れ・誤字脱字の確認・打刻漏れの確認・給与計算前のデータ確認
記録する28議事録・文字起こし・履歴書のファイル整理・面接記録の入力・有給休暇台帳
集計する26数値の集計・定例レポートの作成・勤怠データの集計・残業時間一覧
期限を管理する22日程調整・期限前のリマインド・面接日程の候補作成・SNS投稿の予約
連絡する18定型メールの送信・案内メールの作成送信・内定者への定型連絡・パスワード変更案内
受け取る13メール・フォームの受付と分類・アカウント発行申請の受付・定型問い合わせの一次受付・チェックリスト回収
調べる7Webからの情報収集・競合サイト・価格情報の収集・指定条件のWeb検索・企業・店舗・商品リスト作成
分類する4レビューの分類・事故・クレーム情報の分類・一次分類・問い合わせ内容の分類

次に見るページ

「あと1人」が足りないとき、社内の作業から1人分を探す受け入れる部署に言われる4つの言葉と、人事が返せる材料

公的な相談先

このサイトは一覧を並べるだけで、制度の可否は判断しません。実際に進めるときは、下の公的な窓口で確認してください。

窓口対象できること申込の形
障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口(企業向け・厚生労働省の委託事業)
twp.mhlw.go.jp
全国の採用担当者業務の選定から定着までの相談。最大5回のオーダーメイド支援。無料申込フォームまたは電話。相談は対面(相談員が訪問)かオンライン
地域障害者職業センター(高齢・障害・求職者雇用支援機構)
jeed.go.jp/location/chiiki/
事業主障害者の雇用管理に関する相談・援助。大阪障害者職業センターは「サポートはすべて無料」と明記最寄りのセンターに問い合わせ
ハローワーク事業主職務内容の検討の助言。高齢・障害・求職者雇用支援機構の手引き「職務内容の選定」が相談先に挙げている窓口で相談
高齢・障害・求職者雇用支援機構の障害者職業総合センターは、職務をつくる方法を3つのモデルで整理しています(調査研究報告書No.133・2017年3月)=切り出し・再構成モデル(職場にある定型反復的な作業を探し出し、切り出して再構成する)、積み上げモデル(限定的な職務から始めて、時間をかけて幅を広げる)、特化モデル(得意な分野に専念できるようにする)。このサイトの一覧は1つめのモデルの材料です。

出典と調べた日

困りごとの原文=障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口同 お役立ち情報(2026-09-21に確認)/はじめての障害者雇用「職務内容の選定」(2026-09-21に確認)。

高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害者雇用事例リファレンスサービス」=仕事と勤務形態を検討した事例新規業務の開拓を課題にした事例(2026-09-21に確認)。

作業の件数・札・機密度・動き=このサイトの224作業の一覧から数えた数です。