障害者雇用の業務切り出し

人事担当者のための

障害者雇用の求人に応募が来ないとき、求人票で見直すこと

障害者雇用の「あと1人」が足りない。ハローワークに求人を出したのに、応募がほとんど来ない。

この悩みは、公的な相談窓口のお困りごとの一覧にも、そのままの言葉で載っています。

「求人募集しても、障害者からの応募がない」
(厚生労働省の委託事業「障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口」の公開ページより)

同じ窓口のお役立ち情報には、人事・総務の方の反応として、こう載っています。

「しかし実際に募集をしても、そんなスキルを持った人材からの応募はありませんよ」
(厚生労働省の委託事業「障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口」の公開ページより)

求人票の欄を、順に見直していきます。手元に、自社の求人票を開いてください。

自社の求人票は、同じ地域・同じ職種名の求人と並んでいます

見る欄は、職種名と、働く場所です。

2026年10月13日に、東京都と神奈川県のハローワークに出ていた障害者求人は、3,550件でした(このサイトの運営者が数えました)。うち、事務の仕事の求人は1,326件(37.4%)です。

事務の1,326件では、次のとおりでした。

東京都か神奈川県で「一般事務」の名前で出していれば、自社の求人票は、この420件と同じ一覧に並んでいます。

高齢・障害・求職者雇用支援機構の「はじめての障害者雇用」は、募集活動・人材の確保の答えを、こう書き出しています。

「就職を希望している障害者の多くはハローワークに求職登録しています。」
(高齢・障害・求職者雇用支援機構「はじめての障害者雇用~事業主のためのQ&A~」より)

自社の求人票が出ているのも、そのハローワークです。

ハローワークインターネットサービスで、自社と同じ地域・同じ職種の障害者求人を探してください。同じ職種名の求人を何枚か開き、仕事の内容の欄の書き出しを読みます。そして、自社の求人票と並べます。見る欄は、職種名・仕事の内容・必要な経験・働く場所です。次の節で欄を直すときに使うので、気づいた点は、メモしてください。

「仕事の内容」と「必要な経験」の欄を、作業の単位で書く

見る欄は、仕事の内容と、必要な経験です。

事務の1,326件では、次のとおりでした。

自社の求人票の仕事の内容の欄に、「全般」「付随」「その他」がないか。必要な経験の欄に、「必須」とないか。探してください。

同窓口のお役立ち情報は、進め方をこう書いています。

「「人ありき」の「仕事探し」ではなく「仕事ありき」の「人探し」をする。」
(厚生労働省の委託事業「障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口」の公開ページより)

求人票に当てはめると、人の条件を並べる前に、仕事を書く、ということです。仕事は、職種の名前ではなく、作業の単位で書きます。

書き方仕事の内容の欄に書く文
職種の単位事務全般、およびそれに付随する業務
作業の単位勤怠データの集計/打刻漏れの確認/Excel一覧の更新/書類のPDF化・データ化

下の行の作業名は、このサイトの224作業にある名前です。224作業は、25の部署に分けて並べています。自社にある作業を選び、仕事の内容の欄に、作業の名前で書いてください。

次に、必要な経験の欄です。公的な資料は、求職者のことをこう書いています。

「就職活動を行っている障害者は、「専門的知識やスキルがある、業務の経験がある」「専門知識やスキルをもたないが力を発揮できる分野がある」「環境整備などの配慮により、力を発揮できる可能性がある」などさまざまです。」
(高齢・障害・求職者雇用支援機構「はじめての障害者雇用~事業主のためのQ&A~」より)

自社の「必要な経験」の欄は、この中のどの人に向けて書かれているでしょうか。読み返してください。選んだ作業のページには、必要なスキルが載っています。それを見ながら、欄を書き直します。

トライアル雇用の併用の欄も、同じ求人票にあります。制度の中身は、ハローワークの窓口で聞いてください。

→ 部署から探す(トップの「部署からさがす」・25部署)/作業から探す(224作業の一覧と計算表)

選んだ作業で、週に何時間になるかを数える

見る欄は、就業時間です。

作業を選んだら、次の問いは「それで、週に何時間になるか」です。

計算表に、作業ごとの分数と、週または月の回数を入れてください。週あたりの合計時間が出ます。

出た合計を、求人票の就業時間の欄と見比べます。足りなければ、作業を足してください。作業を足すときは、部署ページから探してください。この合計は、社内の部署と話すときの材料にもなります。

→ 時間を数える(計算表)

それでも来ないとき、通える範囲を外す

見る欄は、働く場所です。

作業の単位で書き直し、時間も数えた。それでも応募が来ないときは、最後に、通える範囲という前提を見直します。

冒頭の、人事・総務の方の反応のすぐ後に、同じお役立ち情報はこう続けています。

「確かに、地域によっては通勤圏内で就労意向のある障害者の数がそれほど多くなく、高スキルの人材がいない可能性もあります。」
(厚生労働省の委託事業「障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口」の公開ページより)

同じお役立ち情報には、こうも載っています。

「通勤圏内に住む「スキルを持った障害者」が数名だとしても、テレワークを活用して働いてもらえば、募集対象は全国に広がります。」
(厚生労働省の委託事業「障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口」の公開ページより)

事務の1,326件では、在宅勤務ありと書かれた求人は155件(11.7%)でした。書かれていない求人は1,171件(88.3%)でした。

自社の求人票の、働く場所の欄を見てください。出社を前提に書いているなら、出社の条件がなくてもできる作業が社内にないか、探します。

このサイトの作業の一覧には、出社の条件がない作業に目印をつけています。目印は、作業の説明の中身だけで決めたものです。目印のある作業を選んだら、その作業を在宅で行えるかを、社内で確かめてください。確かめる点は、自社の情報管理の決まり、システムへのつなぎ方、端末、見守り方です。それぞれ、情報システムの担当や、受け入れる部署に聞いてください。

→ 部署から探す(トップの「部署からさがす」・25部署)/作業から探す(224作業の一覧と計算表)

次に見るページ

求人票を直したあと、次のページも開いてください。

このサイトがしないこと

業務の棚卸しを、代わりに行うことはしていません。計算表の合計は、自社の数字を入れた概算です。雇用率に数えられるかどうかや、何人分の仕事量になるかは、判断しません。

判断が要るときは、次の公的な窓口に聞いてください。

公的な相談先

求人票を直す前に、公的な窓口に聞けます。

「障害者の募集活動や採用については、まずハローワークに相談するとよいでしょう。」
(高齢・障害・求職者雇用支援機構「はじめての障害者雇用~事業主のためのQ&A~」より)

厚生労働省の委託事業の無料相談窓口(企業向け)には、「無料相談の進め方例」として、次の項目が挙がっています。

「障害のある方に任せる仕事の具体的な洗い出しや人材要件の検討等」
(厚生労働省の委託事業「障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口」の公開ページより)
「魅力的な求人票の作り方の検討」
(厚生労働省の委託事業「障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口」の公開ページより)

手元の求人票を持って、ハローワークの窓口か、この無料相談窓口に相談してください。

窓口対象できること申込の形
障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口(企業向け・厚生労働省の委託事業)
twp.mhlw.go.jp
全国の採用担当者業務の選定から定着までの相談。最大5回のオーダーメイド支援。無料申込フォームまたは電話。相談は対面(相談員が訪問)かオンライン
地域障害者職業センター(高齢・障害・求職者雇用支援機構)
jeed.go.jp/location/chiiki/
事業主障害者の雇用管理に関する相談・援助。大阪障害者職業センターは「サポートはすべて無料」と明記最寄りのセンターに問い合わせ
ハローワーク事業主職務内容の検討の助言。高齢・障害・求職者雇用支援機構の手引き「職務内容の選定」が相談先に挙げている窓口で相談
高齢・障害・求職者雇用支援機構の障害者職業総合センターは、職務をつくる方法を3つのモデルで整理しています(調査研究報告書No.133・2017年3月)=切り出し・再構成モデル(職場にある定型反復的な作業を探し出し、切り出して再構成する)、積み上げモデル(限定的な職務から始めて、時間をかけて幅を広げる)、特化モデル(得意な分野に専念できるようにする)。このサイトの一覧は1つめのモデルの材料です。

出典と調べた日

原文=障害者のテレワーク雇用に関する無料相談窓口のトップページ・同 お役立ち情報「~5割の企業が知らない~「障害者に頼む仕事がない」という課題の解決法」/はじめての障害者雇用「募集活動・人材の確保」(2026-10-28に確認)。

求人の件数=ハローワークインターネットサービスに東京都と神奈川県で出ていた障害者求人3,550件を、このサイトの運営者が2026年10月13日に取得して数えた件数です。求人票の欄に書かれていたことを数えました。

作業の件数=このサイトの224作業・25部署の一覧から数えた数です。